クラークの太陽系探検小説が多く入っている。巻末の「信条」もおもしろい。
イカルスの夏:小惑星イカルスの探査で地上に取り残された男のサバイブ
彗星の核へ:彗星の核にはまりこんだ探査船がコンピュータの故障で帰路を計算できなくなるが、ソロバンできりぬける。
土星は昇る:土星探査に参加した男と土星の輪がみえる衛星にホテルをつくる大富豪の話
未踏のエデン:金星探査で不思議な生物にであう。
憎悪:海中に没したロケットのロシアの有人カプセルを、ブダペスト出身の真珠取りが黙殺する話
ドッグ・スター:犬の夢が月面の地震を知らせてくれた話
メリルシュトレームⅡ:月面から発射速度が足りなかったために、数時間後に衝突することがわかっているカプセルから生還
きらめく生き物:深海の温度差発電と巨大イカの発光コミュニケーション
秘密:月面では寿命が伸びるという研究を秘匿する話
太陽からの風:太陽風ヨットのレース
神々の糧:食糧合成ができる時代の食肉習慣の指摘。ライバル企業の秘密の材料
無慈悲な空:浮揚機を発明した身障者の科学者とその助手がエベレストで遭難する。
地球太陽面通過:火星から百年に一度の観測をする男の話。酸素がなくなる。
メデューサとの出会い:木星探査、クラゲ型生物とのコンタクト、機械の体をもつ船長など
グレート・リーフ:スリランカの海でダイビングをした報告
五感以上:動物の感覚に関するエッセイ
バック・トゥ・2001:『2001年宇宙の旅』の制作過程(本編にものっているけど、キューブリックの死後の部分は加筆)
信条:アルファ(監視者としての神)、オメガ(創造主)の考察、地球外知性などのことが書いてある。論理実証主義やゲーデル、コントなどにも言及がある。