たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説 〈昭和ミステリ〉シリーズ [Kindle]
- 東京創元社 (2020年5月29日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (396ページ)
感想・レビュー・書評
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このミス2021年版1位。終戦直後の名古屋の高校生の課外活動中に発生する連続殺人事件。前半はほぼほぼ高校生たちの恋愛感情を中心とした青春小説。その部分がとても面白く密室殺人も発生するのだけど、話しの中心はそっちでありそればタイトルとも関連してるのかなとか思った。
引き続きバラバラ殺人事件も発生し、探偵も登場するので本格推理小説っぽくなってくる。
事件の背景が明らかになり、タイトルの意味も明らかになってくる。
この本は作者が90歳になってから書いたものらしくこれはビックリ。高校生の心の動きがとてもリアルです。自分もまだまだがんばらねば。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昭和24年、終戦から4年後の名古屋が舞台。昭和12年を舞台とした『深夜の博覧会』のシリーズとしては続編だが、直接の関係はほとんどない。復興半ばで、まだ不自由なことも多い時代。進駐軍の命令でいきなり男女共学が導入され、高校3年生だけを一緒に過ごすことになった主人公たち。夏休みの旅行先で遭遇した密室殺人。戦争で人生を変えられた若者もいれば、いまだに戦後に対応できない大人たちもいる。前作と共通する登場人物もいるので、もう一度読み直したい気もするが、すでに昭和36年の物語も出ているので、そちらも早く読みたい。
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読む事にフォーカスできなかったですね
最後でドンとオチる作品のようですが。。。最後まで到達せずに読了という感じでした -
あぁそういういことか!と最後の最後に頭を叩かれる。
舞台が愛知県なのも親近感があってよかったです。
それにしても辻先生は、御年89歳!すごいッス。 -
89歳にして制作意欲衰えず、いまだ現役、それも自分の青春時代の戦後名古屋を舞台に密室殺人事件。好みの作品ではないが、これで「このミステリーがすごい!」で堂々1位なんてこった。
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昭和24年、ミステリ作家を目指している風早勝利は、名古屋市内の新制高校3年生になった。そして暑い夏休みの最中、2つの不可解な事件に遭遇し…。17歳の少年と那珂一兵が解き明かす、哀しき真実とは。
2020年末の「このミス」「文春ミステリ」でともに第1位だった作品。昭和24年がよく描かれているし、タイトルの意味もよくわかった。ただトリックが陳腐でミステリとしての魅力は感じなかった。御年88歳の超ベテラン作者に敬意を表しての1位だったのでしょうか?
(Ⅽ)