小説伊勢物語 業平 (日本経済新聞出版) [Kindle]

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  • 日経BP
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感想・レビュー・書評

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  •  伊勢物語の現代語訳ではなく小説となります。作者も言っているように「平安の時代の現代と違う部分も雅も可能な限り取り込む」ために苦心した文体は、読みやすくて素晴らしかったです。古典が苦手な者としては、「書いてくれてありがとうございます」とお礼がいいたい本です。
     小説のなかに「歌は残る」とありますが、そのとおりに歌や物語に見せられた人々、(あとがきで作者も尊敬と感謝をのべたように)あまたの国文学者によってこの小説までたどり着きます。文化とはそういうものでしょと言えばそうかもしれませんが、その流れにあたることができたという謎の嬉しさが読後感としてあります。

  • 華やかな女性遍歴があまりにも有名な在原業平、そしてそれを描いた伊勢物語は実は読んだことがなかった。著者はこれをまるで源氏物語の現代訳のように薫り高い文章で紹介してくれる。有名な和歌の数々がカラーページ示されていることも嬉しい。藤原摂関家の姫・藤原高子、そして文徳天皇の娘・恬子内親王との禁断の恋。その他にも数名の女性が登場する。私自身にも関係深い土地を兄・行平たちとの父・阿保親王の墓参に芦屋・住吉・布引滝と訪問する場面が印象に残った。行平の娘・文子(清和・更衣)が女性たちの1人として登場する場面は驚き!本当?という感じ。

  • 2020I064 913.6/Ta
    配架場所:C1

  • 平安時代の通い婚もいろいろ大変!男女ともに自由が無いよね!

  • 今年一番の作品。
    在原業平の生きた平安時代を堪能できる。情緒豊かな素敵な作品。高校時代に古文の授業で読んだ「初冠」や「かきつばた」の場面も、もちろん出てきます。

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著者プロフィール

作家
1946年山口県生まれ。80年「その細き道」で作家デビュー。84年「光抱く友よ」で芥川賞、94年『蔦燃』で島清恋愛文学賞、95年『水脈』で女流文学賞、99年『透光の樹』で谷崎潤一郎賞、2006年『HOKKAI』で芸術選奨、10年「トモスイ」で川端康成文学賞。『小説伊勢物語 業平』で20年泉鏡花文学賞、21年毎日芸術賞。著作は多数。17年、日本芸術院会員、18年、文化功労者。

「2023年 『小町はどんな女(ひと)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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