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感想・レビュー・書評
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著者の、亡き父の戦争体験を、追って行くと言うので、戦争物かな?と、思って読み始めたが、シベリア鉄道の歴史的な、ストーリーで、思いの外、色々な、事実がわかって驚いた!勿論、戦争に、ついても厳しい現実が語られているが、シベリア鉄道で旅行してみたくなった!
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西
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シベリア鉄道の旅としてはイルクーツク止まりなのだけれど、宮脇俊三『シベリア鉄道ものがたり』森まゆみ『女三人のシベリア鉄道』に続いてよいシベリア鉄道ものだった。
単なるシベリア鉄道旅行記でもないしシベリア抑留ものでもない。著者清水さんの父・祖父の体験を辿る道筋。全てが明かされるわけではなくわからないことがわかる。
日本が占領していた地域へのソ連軍の侵攻、軍関係者がいち早く情報を得てさっさと逃げてしまい、残されたのは民間人と「張子の虎」の青少年義勇兵たちだったという話は教会の方から伺った。
ソ連兵に酷い目に遭わされた、だからソ連(ロシア)を忌み嫌うと言いながら東アジア文化フェスタにロシアが参加するのを承知で特別出演された宝田明さん。
ロシア語教室初級の時ご家族がタシケント辺りに抑留されていた、そこに行ってみるためにという方がいたことを思い出す。
抑留を体験された清水さんのお父様には「平成23年」になっての賞状発布(内閣総理大臣菅直人なのであった)、それまで日本政府は何をしていたのだろうか。抑留されていた方達は謝罪も補償もされていない。治安維持法犠牲者である私の祖父母がそうであるように。 -
亡父への思い。生前話を聞けなかった。聞いておけばよかった。何かを乗せて鉄路を行く。鉄路東清鉄道からシベリア鉄道。ハルビンからイルクーツクへ。途中サバイカリスク駅でロシア入国。5時間以上の停車。その理由には日本軍が関係する。厳しい入国審査を経て、イルクーツクへ。父が抑留された街。日ロの歴史を思い、紀行に記す。読書は旅行の疑似体験。旅の終わりのイソップ寓話「農夫とその子どもたち」。その意味するものは?「知ろうとしないことは罪なのだ」、歴史も親の思いも。