武器としての交渉思考 (星海社 e-SHINSHO) [Kindle]

著者 :
  • 講談社
4.23
  • (7)
  • (13)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 156
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (265ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 交渉は大事

    日頃買い物してても店員と話してて【変な感じになる時がある】

    先日、自分の部屋のヒーターを買いに行った
    自分の目に止まったのは【アラジン】のグラファイトヒーターだ…
    同じアラジンの
    ①250、 500、 750 、1000ワット切り替え出来る大きめヒーター

    ②200 400ワット切り替え出来る、足元などに置く小さめのヒーター
    が並んでいた
    近くに貼ってあるヒーターの種類比較している貼り紙を読む…発熱管タイプ、カーボン、シーズ、そしてグラファイト…遠赤外線の強いグラファイトが良い

    しかし①と②を見てて違和感をおぼえ…良く見ると…

    ①の値札の上に置いてあるヒーターは②のヒーター
    ②の値札の上には①のヒーターが置いてある…
    【配置間違えてるだけか…】
    しかし違和感が消えず…良く見てみると
    ※商品入れ違いだけでなく、俺が欲しい①の値札に値引き値札を貼ってあるのだがその値引き値札は②のヒーターのだった…

    2台とも9500円ほど…値段そんなに変わらない…というか、②より大きい①のヒーターが少し安い状態になってしまってる…
    ①の正規値段を見てみると13000円
    全然違う
    でも俺の手持ちは11000円
    現金で買って帰れると思ってた俺はテンション下がる…

    一応 おじさん店員呼ぶ
    【すみません コレ欲しいんですが、値段はどれですか?】
    『こちらですね!9600円になります』
    【コレ…上に貼ってある値札、機種違う気がするんですが】

    慌てる店員
    どう対応するかと思えば
    俺に小さい②のヒーターを進めてくる

    俺は【何を話してるの?】となる
    俺に値札を間違えてた②のヒーターをススメはじめた…
    『②のヒーターは200、400ワットなので、そんなに強くないですよ!お家のどこで使う感じですか?』

    【俺は①の値段を聞いてるんですが…まぁ…使うのは自分の部屋…】
    『②は脱衣場やトイレなどに置くようなやつなので…』
    【だから俺は①が欲しいんだけど、値段はどれだ?と聞いてるんですよ…】
    『正直200ワット、400ワットは全く温かくありません!こちらはどうですか?』

    案内されたのは…安い発熱管の昔からあるような3000円ほどのヒーターをススメてきた…
    【???失礼ですが…今あなたはどんな感情で俺に話してますか?俺は①のヒーターが良くて、遠赤外線が良いからそれを選んでる…発熱管ヒーターは遠赤外線効果は全くないでしょ?】

    『暖かさは=ワット数なので、遠赤外線とか全く関係ありません!』
    【おいおい…遠赤外線は体の芯に届く感じで好きだから選んでるんだけど…】
    『どれも変わりませんよ!この発熱管ヒーターは600ワットなので②より強いです。』
    【だから俺が欲しいのは①のヒーターであって、なんなら1000ワットあるだろ?何で②を進める!!】
    【あと、ヒーターの種類を力説してるポップを大量に貼り出しておいて、どのヒーターも全く同じ、だったら全員に3000円の発熱管ヒーターをススメなよ!それより高いヒーター並べまくって、ススメて売ってるならボッタクリじゃないですか?】

    店員が絶句したので
    俺は考えるフリして沈黙を作る…痺れを切らし
    おじさん店員は他の女性店員を連れてきた(担当の)
    おじさん店員は女性店員に『値札貼り間違えと、品物も入れ違ってて』と説明したら女性店員は

    「そうなんですか…でもこの値段は流石に無理なので…(9600円)」
    【ふーん…でも俺は最初に、本当にこの値段ですか?って確認したら店員さんは(そうです)と答えてるし、なんならそのままレジ行って、値段違うと俺は騒げるのに、値札の貼り間違えを教えてるんですよ?】
    【なのに①ではなく②のヒーターを説明しつづけるわ、安い発熱管ヒーターススメてくるわ、なんならどのタイプのヒーターも3000円のヒーターと変わらない、なんならワット数が勝ってれば安いヒーターの方が暖かいんだって!!このやりとりはフェアじゃない】
    【話を整理しましょう、俺は値切ってるのではないんです。ヒーター見にきて、①が気に入った、値段は9600円、これなら手持ちの11000円で買える、購入決定、値段の間違いに気づいた、正直に伝えた】
    【この俺の気持ちはどう考えますか?値段は最終的にどれ?ハッキリ値段は変わらないので、お客様ATMに走って行って来て下さいと言えば、俺も判断しますよ?もう一度言いますが俺の手持ちは11000円です。なんなら今調べたらアマゾンでは10500円で売ってますが?】

    かなり困惑し、凄い覚悟した感じで女性店員さんは「では11000円で」と言ってくれたので2000円ほど安く買えた。

    この話だと俺の交渉が…って話に聞こえるが
    そうではなく…
    【おじさん店員の交渉力、接客が かなり問題じゃないですか?】って事!!

    • workmaさん
       店員さんなど、「初めて話す人との意思疎通…コミュニケーションを円滑にする」って自分が思ってるよりむずかしいですよね(;^ω^) 自分も、自...
       店員さんなど、「初めて話す人との意思疎通…コミュニケーションを円滑にする」って自分が思ってるよりむずかしいですよね(;^ω^) 自分も、自分の言いたいことが店員さんなどに伝わらない時、「なんでわかってくれないんだろうか…?」イライラすることがあります…
       でも、結果的にオトクな買い物できたから…終わり良ければ全て良し…になりますかね~(*^_^*)
      2023/12/18
    • workmaさん
      ベルゴさんと店員さんのやり取りが コントみたいだなーと思いました(笑)
      ベルゴさんと店員さんのやり取りが コントみたいだなーと思いました(笑)
      2023/12/18
    • ベルゴさん
      交渉というより
      質問に答えてくれないのと
      最初に欲しがってる商品を理解してないのが、???ってなってヤバかったですね…(苦笑)
      交渉というより
      質問に答えてくれないのと
      最初に欲しがってる商品を理解してないのが、???ってなってヤバかったですね…(苦笑)
      2023/12/18
  • 交渉力というスキルが必要な理由
    交渉における基本的な考え方
    交渉の現場における戦術
    最後の著者からのメッセージ

    全編を通してとても読み応えのある本だった

  • 【文章】
    とても読みやすい
    【ハマり】
     ★★★・・
    【気付き】
     ★★★・・

  • 「王様と兵隊」ルールが終わっているという現実認識は、正しいと思う。俺自身、筋が通らないことに対して組織に物申したこともあれば、俺のまわりでもそういう場面はみた。組織としてどうかというのはともかくとして、上の言うことが絶対ということが、必ずしも前提とはならない世界で生きているという認識はあるんだよね。それは良いことばかりとも言い切れず、つまり、誰も正解を知らないということでもある。自分がどれだけ自分の頭で考え、判断し、行動できるかに生き残りがかかっているのだと思う。

     バトナ(Best Alternative to a Negotiated Agreement)、「相手の提案に合意する以外の選択肢の中で、一番良いもの」を持つ、という考え方とか、なかなか役に立ちそうだ。交渉においては、自分の都合だけでなく、相手の立場に立ってこれだったら相手も納得するだろうという選択肢をひねり出さないといけない。そのために情報を集め、合意できる範囲(Zopa Zone of Possible Agreement)の範囲を決める。交渉が一連の流れとして、わかりやすい。バトナやゾーパが今、一般に認知された用語かどうかは知らないけど。

     著者は俺の同世代で、たしか俺より一歳上じゃなかったっけ。もう亡くなっているんだよね。存命のときは名前こそ知っていたけど、なんとなく思考の方向性が自分とは違うような気がしてね、読んでいなかった。たまたま一冊読んでみたら面白くて、気がつくとけっこう読んでいると思うんだけどさ。もう少し長生きして、もっとたくさん本を出してほしかった気はする。

  • 読了感は、不思議。

    社会を変革する志を持て、それを実現するために実践的な交渉力を学べ。

    というのがテーマ。
    実際、交渉については、具体的で実践に役立ちそう。

    ・これから生き残る仕事は「交渉をともなうもの」だけ
    ・ロマンとソロバンを結び付けるのが交渉
    ・自分たちの都合ではなく、「相手のメリット」を考える=相手の利害に焦点を充てる
    ・夢や理念にこだわりすぎるな

    ・交渉はかならずしも「奪い合い」ではない
    ・「複数の選択肢」を持ってから、交渉にのぞむ…交渉は情報を集める「だけ」、事前準備で8割決まる
    ・自分は代理人 と思うことで、心理的なハードルを下げる

    ・声が大きくて押野強い人が勝つのではなく、静かに相手の話を聞いて、冷静に分析できる人が勝つ

    ・相手から提案を受けたときは、それがアンカリングではないかと疑う(まずは「一切無視」)

    ・アンカリングの条件は、①高い目標 ②現実的 ③説明が可能(←最低限、根拠を持って説明できるものに)

    ・無条件の譲歩はしない。「相手にとっては価値が高いが、自分にとっては価値が低い条件」を譲歩の対象とする
    ・いろいろな条件付き譲歩を提示することで、相手側の判断基準を知る(相手側に選ばせ、交渉相手が何を重視し、何を手に入れたがっているかのパズルを解く!)

    ・交渉の争点を整理し、「ゼロイチ思考」に陥らないー複雑な交渉では、相手の希望する条件をできるかぎり汲んであげながら、こちらの希望する条件を実現するためにはどうすればいいか、柔軟な発想を。そのめには、争点を全て洗い出し、それぞれの重要度を決めて、相手にとって重要な争点と、自分にとって重要な争点を結びつけてみる。
    →そのうえで、「自分にとって重要度は低いが、相手にとっては高い争点」を譲歩したり、逆に「自分にとって重要度は高いが、相手にとっては低い争点」を譲歩してもらえるよう提案したりすることで、お互いにとっての目的を達成できる道を探る
    =交渉は、ゼロイチの単純なものではなく、非常にクリエイティブ!

    ・交渉相手の立場によって(cf 同じ会社でも現場担当者と役員)争点は異なる。→常に相手の関心分野はどこにあるのかをケース・バイ・ケースで考えながら、相手に合わせて提案や譲歩を行う

    ・どんなに気まずくても沈黙に耐える。譲歩の引き出しあいを闘っているときには忍耐が大切。威圧的にふるまう相手は、自分のバトナが低かったりする=威圧されたら逆にチャンスと考えて、冷静に相手の利害を見極める

    ・相手が情報を出さないのであれば、それ自体を交渉の材料に…(日本長期信用銀行:買収先の貸出企業が不良債権でどんどんつぶれても、情報を聞いていない結果なので日本政府が債務負担を)

    ・相手の価値観は絶対に変えられないから、尊重して合わせるしかない。
    ・合理的・非合理的な交渉を問わず、「相手の分析」が最重要
    【非合理的交渉者:6つのタイプ】
    -「価値理解と共感」を求める人
    - ラポール を重視する人(信頼関係)
      好意の返報性、スモールギフト、相手との共通項を見つける
      相手の好む話し方で付き合う
    - 「自律的決定」にこだわる人
    - 「重要感」を重んじる人
    - 「ランク主義者」の人
      『ランクを超えて社会的に重要な問題があり、
      その問題の解決のためにあなたのチカラが必要です』
       ‐ランク主義者の考えるランク以上の「はるかにでかい絵」を描いて
        彼らを引きずり込む
    - 動物的な反応 をする人
      コンディションの良い時に話す
    ・交渉メンバーが共有すべき
     ①毎回の交渉のアウトプット ②ドレスコード ③NGワード(弁償義務ない場合の「弁償」、今回はすべきでない(紛糾してしまうであろう)コスト)

    ・交渉は断られてからが勝負…交渉が一見デッドロックに乗り上げてこれ以上手の打ちようがない、と思われる状況でも、相手の「できない」を具体的な行動によって合理的につぶしてあげることで、状況が打開する場合も

    ・言葉は最大の武器
     自分の外部にいる「他者」とつながり、連携し、行動をともに起こすためには、外部で話されている言葉を学ぶと同時に、自分の言葉も相手に届くように磨き続ける

    ・特定分野で強い力を持つ個人にアプローチし、交渉して、合意を結ぶ
    ・Do your homework
    ・大きな変革を成し遂げられるのは、その組織の古いしがらみやルールにとらわれていない人だけ

  • 交渉について学ぶつもりで読んだら、若者に社会を変革するリーダーになることを鼓舞する部分が多く、その目的を実現する手段として交渉について述べられていた。なので期待したテイストとは違ったものの、交渉とは綿密な情報収集に基づくクリエイティブな行為であることがよく理解できたし、交渉を進める際のポイントやテクニック的なものも網羅されていると思う。交渉というと大袈裟だが、実現にあたって他人との調整を要することは日々生じているので、実践的に活かせそうな内容であった。特に、たくさん話した方が勝ちなのではなく、相手の利害やBATNAをしっかり見極めること、相手の話をよく聞いて提案することの重要性は、心に留めておきたいと思う。
    また、交渉というテーマに限られるものではないが、コモディティ人材(他に代わりのいる人材)になるなというメッセージは、自分がマイノリティであることをプラスに変えようという勇気づけになった。同様に、「仲間」と一緒にいるだけではタコツボ化、ガラパゴス化していき、異質なものと手を組まないと非連続的変化は生まれないというメッセージも、ダイバーシティマネジメントや多様な働き方を進めたいと思っている自分への励ましとなった。

  • ■一生懸命やるべきは普通の生活に役立つ実学

    ■正解はない。だから自分で答えを出す方法を学ぶ。
    ■エキスパートでhなく、プロフェッショナルを目指そう。
    ■知識・判断・行動の③つをつなげて考えよう
    ■正解ではなく、今の最善解を導き出す。
    ■ブレる生き方を目指す
    ■問題が大きいときは小分けに数r
    ■同時に複数の論題に入る
    ■論題は「●●すべきか否か」
    ■反論はメリット・デメリットの③条件に対して行う
    ■世の中の嘘・デタラメ・詭弁を見抜け

  • 2014年に一度読んだみたいだったが、その時の気づきと全く異なった印象を受けたので、再度まとめ。

    山口周さんの劣化オッサン処方箋で書かれていた「オピニオン」と「エグジット」のオピニオンの部分は全て交渉と言い換えられる。
    具体例を交えて描かれているので、日々の業務の中も交渉にあふれていることを再確認できた。ごく基本的なことなのだが、実務上では、つい忘れてしまっていることも多かったので、ポイントがまとまっているのも◎

    大切なのはロマンとそろばん
    自分の立場ではなく、相手の利害に焦点を当てる
    アンカリングと譲歩がポジションパワーを決める
    (自分にとって重要ではないが、相手にとって重要なものは?)

    非合理的な人との交渉:
    ・価値理解と共感⇒相手の価値観を変えようとしてはダメ。共通基盤がある人には説得されやすい。
    ・ラポールを重視⇒好意を伝える、ギフト、共通項をみつける、相手と同じ話し方・振舞いをする、共同作業を行う。
    ・自律的決定⇒相手に決めさせる
    ・重要感⇒相手の話をしっかり聞く(感情に配慮し、大切に扱う)
    ・動物的な反応⇒相手のロジックを理解してあげる

    <ルール>
    ・交渉のゴールを明確に。何を達成していれば成功とみなすのかをメンバーと合意しておく。
    ・ドレスコード、言葉遣い:相手に与える印象操作
    ・NGワード:どんなワードを使ってはいけないのかを共有しておく。

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

京都大学客員准教授、エンジェル投資家、教育者。1972年生まれ。麻布高等学校、東京大学法学部を卒業後、大学院をスキップして直ちに助手に採用。専攻は民法。任期終了後は学界に残らず、マッキンゼーへ入社。3年で独立し、多額の債務を抱えていた日本交通の経営再建などを手がけながら、エンジェル投資家として極めて初期段階の企業を15年以上にわたって支援し続ける。京都大学では教育、研究、産官学連携活動に従事。「意思決定論」「起業論」「交渉論」の授業を担当し、人気NO.1若手教官として「4共30」講義室を立ち見に。各界において意思決定を先導するリーダーを育てることを目標に、選抜制の「瀧本ゼミ」を主宰。著作物やディベートの普及活動を通して、次世代への教育に力を入れていた。2019年8月10日永眠。

「2022年 『瀧本哲史クーリエ・ジャポン連載集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

瀧本哲史の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジェームス W....
J・モーティマー...
リンダ グラット...
瀧本 哲史
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×