独学大全――絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法 [Kindle]
- ダイヤモンド社 (2020年9月28日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (1064ページ)
感想・レビュー・書評
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うん、これは使える。
怠惰で気まぐれな自分を、そして不測の事態をいかに手なずけ、独学を継続するか。そのノウハウが満載。
受験勉強中の中高生にもすごく役立つのではないかな。
特に数学の学習法について。
これは私も以前から、数学を学ぶ際は「実感」を大切にしてはいけない、と思っていたのだが、もっとうまい言い方がなされていた。
数学を学ぶコツは、いちいち日常生活におろして考えずに、数学の中にとどまりつづけること。言い得て妙。
個人的に記憶術のくだりが面白かった。
記憶力があるということは、かつてひとつの権威だったのだな。いまやデヴァイスに任せっきりだけど。
数学者ポアンカレのインキューベーション。これは自分なりに方法化してみようと思った。
つまり、あることについて集中的に考えたあと、まったく関係ない作業をすることで、アイデアのひらめきを促すことができるというもの。
日常のあれこれを雑事とみなさなくてもよくなるし、これはいろいろと発想の転換になりそうだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「卒業してしまえば、諸君は私が授業で教えたことなど忘れてしまうだろう。でもそれでいいのだ。学んだことを忘れてしまって、その後に残る何か。それが教育なんだ」
書店で平積みになっているベストセラーを、Amazon Audibleの「聞く読書」で学んだ。
聞きながら、冒頭の学生時代の恩師の言葉を思い出した。
自分には特技も取り柄もない。
本屋に行っては語学書やベストセラー、新書をあさり、買ってきては挫折して書棚の飾りとなる。
そんなことをずっと繰り返してきた気がする。
それは「学ぶことを諦めたくない」からだろう。
本書は、覆面ブロガーである著者が様々な具体例を持って「学び」について後押ししてくれる。
各章の冒頭では「無知くんと親父さんの対話」。
身も蓋もない二人の対話の中から、今何を具体的にするかの道しるべが示される。
独学者は一人だ。
だが、孤独ではない。
実際に会うことができない人を師と定めて学ぶ「私淑」。
偉大な先人たちの肩に乗って眺める景色。
図書館、インターネットといった誰でも無料で、もしくは安価で利用できる資源。
そして、自分自身を振り返るセルフモニタリング。
飽きても、辞めても、かまわない。
また、始めれば良いのだ。
人間は学びによってのみその宿命から逃れられるのだと、著者は力説する。
それは、自分にできることを挑戦してみたくなる意欲をくれる。 -
タイトルだけで、広く浅く色々独学の方法が書いてあるだけなんだろうなーと思って読んでいなかったのが悔やまれる。
早く読めばよかった。
最近、学びたい気持ちが強くて。
でも、資格の勉強や仕事に役立つような勉強、歴史や数学などの学び直し…何をやっても、何か違う?こういうことが学びたい訳じゃない気がする…と漠然と思っていたのだけど、この本を読んだら私の考えてた『勉強』って、浅くて薄っぺらいものだったんだなって気付く。
時間がないとなかなかこの本みたいには学べないけど、いつかはこんな風に深く学んでみたいなぁ。
すぐに役立つ情報もあった。
調べ物をする時、結局同じことを何度も検索してしまったりして、またこの情報か〜結局どうすればいいの?となることが多くて、時間がかかっている割に調べ物がなかなか進まないことがあるのだけど、『リサーチログ』を面倒くさがらずにやってみると頭がスッキリ!調べ物がサクサク終わる(感動!)
これをきっかけに色々なことのログを取るようになったけど、頭の中のごちゃごちゃが整理されるのでオススメ。
もう一つはまだ実践できてないけど『目次マトリクス』はやってみたい。
他にも、書誌の活用の仕方など、学びたい人には興味深い内容ばかり。
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勉強法をテーマにしたノウハウ集。必要なところを拾い読み済めば足りる。752頁に及ぶ鈍器本であるから、この読み方しかできないというのが正直なところだろう。
今の私のニーズを満たすものとしては、第10章・集めた資料を整理する-最速の素人になる、第11章・情報を吟味する-「トンデモ知識」につかまらないために、が上げられる。前者では、多くの文献を一望化する[目次マトリックス]、文献のネットワークを掌握する[引用マトリクス]がハウツーとして紹介されている。後者では、デマの矛盾をあぶり出す[タイム・スケール・マトリクス]、主張の根拠を掘り起こす[トゥールミン・モデル]が参考になる。 -
一応高校レベルではけっこう頑張ったけど、それ以降は時々思い出しては翻訳通信講座を受けたり、英語の本を読もうと努力したりしてはきたけど、何度も挫折。
英語の文献を読まないとでないと情報が非常に限られる生きものに興味を持ち、自分で海外に観察撮影に行くのにマイナーなため現地の人とコミュニケーションできないと困る場面も多くて初めて持続する動機が湧いて出て、一応英語の本や論文を読んだり、海外の研究者と歩いて程度話したりのレベルまでやってきた。
本格的に英語に取り組んでから、ありとあらゆる隙間時間を費やして語彙増強やNHKのテキストの暗記に努め、学校も英会話から英検1級に特化した予備校から通訳者養成学校までさまざまな学校に通い、この本にあるように中級の壁にぶつかって悩み、ある程度満足がいくレベルまで来るのに、3年はかかっただろうか。その後もまわりから「英語がぺらぺら、すらすら読める」と思われている自分と現実の自分との折りあいには今でも苦労の連続だ。ただひたすら努力を継続するのみ。
スモールステップは、モチベーションを維持するために特に自覚せずにやっていた。中級の壁も結局スモールステップに向かってひたすら馬鹿のように努力することで乗り越えたけど、その頃のブログを読むと自分の焦燥がよくわかる。
第一部はそんな自分を改めて思い出し、第二部の資料の探し方は、大学に属してない自分でも手に入るレファレンスを自分なりに開発したつもりだったけど、まだまだしらないことが多くて参考になった。
第3部理解度をたかめるための方法も参考になった。
ツィッターで聞いていたけど本書の厚さを書店で見て、Kindleといのを初めて使う気になった。いやあ電子書籍は便利。 -
記録を取る者は向上、抜き書きノートは知的財産
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独学のようなことを続けてン年。授業料払って通うべきところに通わず興味の赴くまま医学と法学を学び続けるのに、道を踏み外す不安は尽きず、改善を求めてTwitterで見かけたこの本を手にしました。
そんなやり方があったのか、そうそうこれの具体的なやり方を知りたかったんだ、これは数年前から試してるよ自分だけじゃなかったんだ等々…
読んでよかったです。
無知くんと親父さんの会話もほっこりしました。 -
「大全」と称するだけある。
知の大海へ出る際の、コンパスと道具箱ではないか。
色々な学びそのものを支えてくれる本であろう。
(他の本を立てかけられるほど厚い)
ただし、何を学ぶべきか、は書いていないことに注意。
独学の方法論の辞書として読むべきだ。
また、厚いこの本を買うことで満足し、
棚に並べただけで独学について多くを習得したかのように
錯覚してしまいがちなことにも注意だ。
私は通読はしたが、
その結果、この本は辞書のようなものだと思ったので、
本書がよいかどうかの真価は、今は書けない。
今後、調べものをするときに引く、などの実用例が積み重なったとき、
本書の評価ができると思う。 -
モチベーションとティップスについて、些細な項目から丁寧に幅広に積み上げられ、これだけのボリュームをよくぞ書き上げ、さらに売れているというのが驚きです。
自分の場合、独学が習慣化できてるので、「へー」「なるほど」と思える箇所を拾い読みしただけで価値あり。でも、勉強することに抵抗感あるひとは、この本すら三日坊主で終わるかな...。 -
まさに独学に関する大全。
何かを学ぼうと意気込んだら、まずこの本を手に必要なテクニックを探して参考にすることで成功率をぐんと上げることができるだろう。
あらゆる人におすすめできる必読書と言える。