楽園とは探偵の不在なり [Kindle]

著者 : 斜線堂有紀

• 早川書房 (2020年8月20日発売)

感想・レビュー・書評

[うまいごすさんの感想 · 2021年1月18日]

異形の天使が降臨し、
世界のルールは一変した。

二人殺せば、即、地獄行き。

なのに何故、殺人が無くならない？
この島では何故、連続殺人が起きる？

「一体、地獄は何の為にある？」

探偵は何を暴き、誰を救う？

「ならば天国にご興味は？」

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んー、面白かった！

天使がどう読んでも悪魔。「二人殺すと地獄堕ちルール」も血湧く特殊設定ミステリですが、何しろ世界観が秀逸。異様な設定なのに巧みな導入でラストまで感情移入できました。

映画化できそうだけど、本で天使の気色悪さを想像して楽しみたい。天才料理人大槻の料理も食べたい！！

[ぽんたろうさんの感想 · 2023年5月12日]

天使が「降臨」し、殺人を二回起こした人は地獄へ行く。連続殺人という概念がなくなりつつある世界で、孤島での連続殺人が起き…

特殊設定ものとして名高い(？)作品。初めての斜線堂有紀、ものすごく面白かった。設定もそれを活かしたミステリも良かったんだけど物語の骨組み、というのかな、仕組みというのかな、それがものすごく良かった。正義とか青臭いし理想論ぽいけど、それを大事にする探偵事務所の仲間と主人公の絆に泣かされっぱなし。島で助手を名乗り出る人たちが探偵の過去を知ってそう申し出たのだと気づく探偵のシーンでボロボロ泣いた。よかった…

[bibouroku0さんの感想 · 2022年7月4日]

「天使が現れた世界で、殺人を2回犯した人間は死ぬ」という特殊状況が設定された、変則的SFミステリ。
「2回殺人を犯した者は(殺人の意図が無かった場合も)天使に殺される」「天使は角砂糖を好む」などの設定を生かした連続殺人がなかなか面白かった。間取り図の細かな部分に意味があったのも個人的に好感度が高い。
普通に近現代を舞台とするミステリの物理トリックがある程度、書かれつくしてしまっている状況で、こういう変則的なものが出てくるのは必然だと思うし、がんばっているなと思う。しかしこの世界設定自体に魅力があるとは思えなかったので、厳しいかもしれないが☆2。

[pipiさんの感想 · 2021年9月28日]

"不在が一番場所を取る。多分、この世界における神の存在もそういうものだ。あることを知っていながらけして姿を現さないことこそ、最も遍在することが出来るんじゃないでしょうか。つまり、「神はヤバいくらい自己顕示欲が強い」"
ここが1番好き。

[まーくんさんの感想 · 2021年8月7日]

2人以上の人を殺すと天使によって即座に地獄へ引きずり込まれるという設定。
そういうわけなので連続殺人事件は起こりえないはずだが、孤島の館で6人が謎の死を遂げる。
面白そうな話ではありますが、バックボーンの描写に重きを置き過ぎて、肝心のミステリーがイマイチでした。
世界観に入り込めなかったかな。

[たいたんさんの感想 · 2021年7月29日]

2人以上殺すと地獄行きという特殊設定ミステリですが、しっかりと推理させ貰えて楽しめた！
天才（変人）的ではない探偵の青岸が、心の傷と闘いながら事件と向き合う姿に迫力を感じました。
青岸と探偵事務所のメンバーとの活躍をもっと見て見たかった。
久しぶりに関係者を集めての解決編に心が躍りました。（悲しい結末ですが）

[redlorryさんの感想 · 2021年6月25日]

二人以上殺したものは’天使’によって地獄へ落ちる世界で常世島というクローズな島に集まった探偵含めた11名、そこで起きる殺人事件。特殊な設定での理解できない謎解き解答はなんなんだろうか？文章は読み辛いし、がっかり

[りゅーれんさんの感想 · 2021年3月29日]

・特殊状況ミステリー。二人以上殺した者は「天使」によって即座に地獄に引き込まれるような世界。

[yukiko.gさんの感想 · 2021年2月3日]

面白かったけど。設定も話も面白かったけど、もう少し細部も書き込んでほしかったな。

[夜食・中七七三／特殊物書き稼業さんの感想 · 2021年1月8日]

期待値は大きかったが、イマイチな感じ。
設定の面白さと、謎解きに絡む部分があったが謎解きに爽快感がない。ありがちというわけではないけども、設定の奇妙さに比べて驚きが少なかったと思う。

著者プロフィール

2016年、『キネマ探偵カレイドミステリー』で第23回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞してデビュー。楽園とは探偵の不在なり』『恋に至る病』『コールミー・バイ・ノーネーム』ほか著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション　ｗｉｚ』 で使われていた紹介文から引用しています。」