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感想・レビュー・書評
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極寒と飢餓と重労働のシベリア抑留
仲間が絶望に囚われる中
アムール句会を作り
各々の句から一筋の光や心の安らぎを見出していく
知性が 決して暴力に負けないという希望
正直 句にそんな力が?
と思うんですが
故郷を懐かしみ
自分の心を素直に言葉にする
特別な勉強がいらない
心があればいい
というのが よかったんでしょうね
皆さんが詠まれた句が
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ラーゲリから愛を込めてという映画を見て、原案も直接読んでみたくなった。
映画と異なる点や映画では映像のみで詳細に説明されていないものも多く、原著を読む甲斐はあると思った。
過酷なラーゲリ生活の中で生きる希望を見出しながら、自分の信念を貫く、主人公の山本幡男さんの姿に感銘を受けた。
どの時代も空気に流される人が大多数の中、1人違った行動をとることのできる力。
それは、教養やアートなのかなと思った。
映画中に出てきた、麗なもの美しいものに国は関係ない、という言葉はまさにそれを表していて、自分が好き・キレイだと感じることを大切にして生きる。
その姿こそが私には美しく感じられた。 -
人柄
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先日 収容所についての本を 資料館で教えてもらったので早速読んでみました。
収容所の過酷な状況はなんとなくわかってきましたがこの本は そのつらい事だけに焦点をあてているのではなく 一人の人物を中心に いかに心豊かに生きてのか という事が書かれていました。
収容所に何年も入っていて 仲間同士で 密告したり食べ物の事で争ったりしていくうちに 帰国が 夢また夢となり 心がすさんでいく人が多い中 この遺書を残した 山本氏は 日本古来の文化などに心を寄せて俳句を読んで 仲間で句会を開いたり勉強会などをしていました。
(本来ならば そういう行為は禁止でしたので 隠れながら)
生きる希望をなくした 仲間も 山本氏のお陰で
シベリアの青空の美しい事などに気がつかされたり
季節の移ろいに感動したりして 10年以上もの抑留に耐えて生きていました。
残念ながら 山本氏は 帰国できずに亡くなってしまったのですが せめて 彼の遺書を届けたいと いう 思いで 仲間たちは必死になって 覚えたのです。
というのも、帰国に際して 文字の書かれた物などは 持っていけなかったのです。
だから 今日本に持って帰ってきてあるものは 着物に縫いつけたりしてうまく隠して持って帰ってきた 貴重なものなのです。
そして 収容所にいる時も 文字の書かれた物を持っていたら 没収されたり 罰を受けたりしたそうです。
多くの仲間たちは 空腹で 頭がもうろうになりつつも 山本氏の遺書を覚えて 俳句や 詩なども 覚えて帰国し 奥様の元に 届けたのです。
山本氏の遺書は お母様宛て 奥様宛 子ども達宛てと いくつかあったので 仲間達は 数名に分けて 覚えたそうです。
覚えるのは大変だったけれど
この遺書を届けるまではという 強い思いで 仲間たちは 生きて帰国しました。
本当に この収容所にいた 人々の苦労は大変なものだったと思います。
でも、どんな場合でも 心に希望があれば 生きていけるものなのだと思いました。
出来れば この本も多くの人に読んでもらいたいと思いました。
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俳句を詠みたくなった
そんなに知ってるわけじゃないけど、日本の文化に誇りを持てた -
戦争がいかに残酷なものか、知っているはずなのに目を背けてきていました。
私が生まれる前に終わったはずの戦争が、その抑留者が帰るまでに何年も要したことがこの本で知るとは…
いまの戦争にダブってとても切なくなりました。