ドキュメント 強権の経済政策 官僚たちのアベノミクス2 (岩波新書) [Kindle]

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  • 政策を実現するためには、関係者の利害調整が必要となる。「正論とは思っていても、それを単純に振り回すのは行政官の仕事ではない」。本書は政治家と官僚、および有識者の間で利害が調整され、政策として実現していく過程がありありと記されている。
    アベノミクスの3本の矢のうち、大胆な金融緩和と積極的な財政出動の結果生じたのは円安と株高だった。2%というインフレターゲットを達成するためには、賃金を上げなければならない。アベノミクスには賃金が上がるような構造にはなっていない。したがって、賃金上昇をもたらす仕掛けが必要になる。そこで持ち出されたのは、政府が企業に賃上げを要求する、いわゆる官製春闘であった。
    (ちなみに賃金の値上げというのは民間の営為であり、公権力が介入するなど考えられないというのが、当時の連合の考えだったという。官製というのはそれだけ特異な政策だということ。)

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著者プロフィール

軽部 謙介(カルベ ケンスケ)
時事通信社解説委員
1955年生まれ。早稲田大学法学部卒業。時事通信社入社。社会部、福岡支社、那覇支局、経済部、ワシントン特派員、経済部次長、ワシントン支局長、ニューヨーク総局長等を経て、現在、同社解説委員。主な著書に『日米コメ交渉』(中公新書)、『官僚たちのアベノミクス』(岩波新書)など。

「2019年 『政策をみる眼をやしなう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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