欲望とインサイト: インサイトハンターの日常 (Speedy Books) [Kindle]

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  • 本書は、インサイトハンターと呼ばれるマーケティングのプロフェッショナルが、日々の仕事やプライベートで出会うさまざまな欲望やインサイトについて語る内容です。インサイトとは、簡潔に言うと「人を動かす隠された心理」のこと。著者は、インサイトハンターの第一人者として、多くの企業やブランドのマーケティング戦略を手がけてきたそうです。

    本書を読もうと思ったきっかけは、私自身が仕事で、自社のオウンドメディアのコンテンツマーケティングとSEOライティングの業務を担当していることに関係しています。私は、クライアント(ToB向けサービスなので企業担当者になります)のニーズやターゲットの特徴を分析し、それに合わせた有益なコンテンツを作成し、検索エンジンで上位に表示させるということを業務にしています。そのためには、コンテンツの読み手の心理や行動を理解し、それを言葉にするスキルが必要です。本書を読むことで、インサイトハンターの視点やノウハウを学び、自分の仕事に活かせるのではないかと期待してのことでした。

    本書を読んでどう感じたかというと、まず驚いたのは、インサイトハンターの仕事の幅広さと奥深さです。本書では、筆者が手がけたさまざまなプロジェクトの裏側やエピソードが紹介されています。例えば、日産「Be-1」のデザインコンセプトの立案や、P&G「アリエール」で遡及した顧客ニーズの顕在化などです。これらのプロジェクトでは、筆者は、消費者の欲望やインサイトを見抜き、それを具現化するために、様々な調査や分析、クリエイティブな発想を行っていました。

    本書を読んで得られたことは、インサイトを得るための思考法や行動法です。単にデータやトレンドを追うだけではなく、消費者の感情や価値観、ライフスタイルなどを深く掘り下げ、それを言葉やビジュアルにするという発想の方法やプロセスを具体的につかむことができました。

    そのために必要なスキルや姿勢が具体的に示されており、例えば、以下のようなものです。

    消費者のニーズや欲求は、言葉だけではなく、行動や表情などにも現れる。消費者の声に敏感になり、それを分析することで、インサイトを見つけることができる。

    インサイトは、論理や理屈ではなく、感性や直感で掴むもの。自分の感性や直感を磨き、それを自信を持って発信することで、インサイトを伝えることができる。

    インサイトは、新しい発見や驚きに満ちたものである。常に好奇心を持ち、様々なものに興味を持ち、それを探求することで、インサイトを生み出すことができる。

    本書を読んで今後私は、以下のようなことを意識して行うつもりです。・自分の仕事において、クライアントやターゲットのインサイトを見つけることを重視する・インサイトを見つけるために、様々な調査や分析を行うとともに、自分の感性や直感を活かすことを心がけること。・常に好奇心を持ち、様々な情報や人と触れ合う・自分の経験や知識に固執せず、常に疑問を持ち、学び続ける。

    あらためて、インサイトを見つけるためには、表層的な現象や既成概念にとらわれず、本質的なニーズや欲望に迫ることが大切だと痛感した次第です。 

  • 後半の事例紹介が多過ぎて間延び。

  • 序盤のインサイトについての話が本質を突いていて参考になった気がする。

    著者らを知っていればそこまで面白いことが書かれていないかもしれない。

    おすすめの読者としては、インサイトとかマーケティングとか、色々考えていて外部の視点とかが欲しいって人向けかなと。

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著者プロフィール

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授、コンセプター。
京都市立芸術大学入学後、渡米。サンフランシスコでファッションビジネスを立ち上げる。帰国後はテキスタイルデザイナーとして活躍し、その後1987年に日産自動車から販売されたBe-1のコンセプト企画でヒットを出し、その後は国内外の製品開発に携わる。KDDIの移動体通信(携帯電話)ブランドであるauの外部デザインディレクター。2008年より現職。
主要作品に、KDDIおよび沖縄セルラー電話のau携帯電話(au design project)/東京ガス「ピピッとコンロ」/東レ「トレビーノアクアマイスター」ほか、多数の商品デザインを手がける。
主要著書に、『デザインのたくらみ』(トランスワールドジャパン、2005年)、『デザインの深読み』(トランスワールドジャパン、2007年)ほか多数。

「2013年 『x‐DESIGN 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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