- Amazon.co.jp ・電子書籍 (229ページ)
感想・レビュー・書評
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コロナが発生したことで浮き彫りとなった日本のデジタル化の遅れについて、実は政府は2000年くらいから長い年月をかけてIT改革を行っているだが、なぜ失敗し続けているのかを解説した一冊。基本的に政府の絡んだあらゆるシステムがベンダーに丸投げで工程管理ができていなかったり、アジャイル式ではなくウォーターフォール型の開発だったりと、書かれている状況を見るだけでも失敗するのは明らかな感じがする。こういうのを見ると2021年9月に設置予定のデジタル庁の行く末にも不安がでてくる。
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購入してからしばらく積んでいた本書をようやく読了。
2年前の書籍なので多少陳腐化した内容もあるかもしれないが、政府や官公庁のシステム刷新対応で如何に無駄なことをしてきたかの概要を掴むことができる。
民間企業でも本社主導で進めたIT化がうまくいかないとかありがちではあるが、現場のニーズを掴み損ねたIT化は害悪でしかないし、システム刷新でも開発業者になんでも丸投げ対応も失敗する要因のひとつ。
第8章にデジタル庁設立への提言としてIT業界やら第一人者?からのコメントが掲載されているが、こともあろうか竹中某も採用されていてこれだけで評価を下げる要因となった。 -
問題は以下の通り
・政府側にITを知っている人材がいない
⇒ベンダー丸投げ
・システム間の連携が困難
⇒個人情報保護を盾に政府が責任を取りたくないだけ
・2年で担当者が異動となり、知識が継承されない
・住民の利用性向上よりも自分たちの仕事のしやすさ重視
これらの解決が今後の鍵となる。 -
過去20年の失敗し続けた政府のデジタル化政策がわかりやすく整理されていた。
行政側に発注者能力が欠けているという指摘はその通りと思うが、日常業務を行いながらシステムを紐解く余力はなかなか無いな。
なお、厚労省のonepublicは国と自治体を直接結ぼうとする点で画期的かと思ったが、飛んでくる通知が紙文書を前提とした今までの様式そのままで、県のフィルタを通さない分、余計に手間がかかって全然効率的でない。あんな分かりづらい文書を大量に作る方も大変だと思うのだが、そうでもないのか。