- Amazon.co.jp ・電子書籍 (198ページ)
感想・レビュー・書評
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評価良かったので読んでみました。ユーミンとはどんな夫婦なのが気になっていたけど、仲良さそう。音楽業界にいると老ける感覚も一般人より遅いというか、実際若い感覚保持できるのかな、と思いました。何げにお母さんエピソードが好きです。
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軽い読み物はないかと、いつもの図書館の新着書リストを覗いていて目に留まった本です。
著者の松任谷正隆さんは音楽プロデューサー、奥様は言うまでもなく松任谷由実さん。このエッセイでも随所に登場します。
松任谷ご夫妻も結婚されて40年以上、それなりの年月を経ていることもあり、語られる家庭内のエピソードも“ほのぼの系”。心地よい雰囲気を楽しめました。 -
悩めるおじさん導く本
不安代弁・生き方指南・観察対象…
2021/6/21付日本経済新聞 夕刊
中高年男性をテーマにした「おじさん本」の刊行が相次ぐ。世の中の変化への不安を代弁したり、生き方を指南したり、観察対象にしたり――。悩めるおじさんに新たな視点を提示する。
どうすれば嫌われずに生きていけるかと悩む気持ちを代弁するのが、松任谷正隆氏の「おじさんはどう生きるか」(中央公論新社)だ。69歳の音楽プロデューサーが、時代と自らの感覚にズレがあるのではないかと不安を吐露する。
価値観の更新必要
会議にたくさんの女性が入ると長引くと発言した森喜朗元首相の事例を引きつつ、「それでは僕はどうなのか、といえば、やっぱり失格、退場、の部類なんだろうなあ」と思いを巡らせる。
そんな松任谷氏について、巻末で対談した40代女性コラムニストのジェーン・スー氏は「ステレオタイプなおじさん」には当てはまらないと断言する。ここで想定するおじさんの典型例は、自分の権力に無自覚なままパワハラやセクハラなどを繰り返し、時代の変化にあわせて「価値観の更新」ができない人だ。
働く女性は少しずつ増えてきたが、企業の管理職はまだ男性が圧倒的な多数を占め、さまざまなジェンダー指標は国際的に見劣りしたまま。女性活躍やダイバーシティを重んじるような価値観について、無関心、無理解なままの男性も少なくない。そんな古い考え方を「おじさん」の象徴として分類しているのだ。
「セクハラやパワハラは、おじさん=加害者とされがちだが、さらに上のおじさんにいじめられて困っている人も多い」と指摘するのは、「おっさんず六法」(飛鳥新社)を著したフリーライターの松沢直樹氏だ。フリーランスらの労働組合の執行部にいた経験を生かし、法律をサバイバルツールに見立ててさまざまな場面で自分の身を守れるように手ほどきする。
ハラスメントだけでなく、リストラや不法行為など中高年が遭遇しやすいトラブルにどう対処するか。「どうしたらいいか分からない人に、転ばぬ先の杖として読んでほしい」。男性が主な読者だが、購入者の2~3割は女性で、飛鳥新社の担当者は「身近な家族や同僚が参考書のように渡すのでは」と推測する。
誰の中にも存在
そんなおじさんたちを観察して楽しもうという本も登場している。57歳の会社員「まさる」になりきってユーモラスに絵日記をつづった「おじさん日記」(小学館集英社プロダクション)は、現役大学生が描いたとは思えないリアルさだ。いま20歳の著者、RYO OGATA氏は高校時代、知り合いの居酒屋で絵を展示したのをきっかけに、おじさんを描き始めた。観察するうちに「喜怒哀楽のどこにも属さないような、含みのある表情をしている」のが面白いと気づいた。
「朝の電車では抜け殻のようなのに、夜の居酒屋では発狂する」と表現するが、「意外と普段の自分と変わらないことも考えているのでは」とも感じる。「ある年齢以上といった定義ではなく、おじさんという概念があり、誰の中にも存在するものかもしれない」
年齢や見た目、言動など、おじさんと聞いてイメージするのは人それぞれだろうが、大妻女子大学の田中東子教授は「強い者に巻かれ、自分より弱い者や下の者に威張ったり、自身の言動が人からどう見られているか気にしなくなると、世間ではそう呼ばれてしまうのかもしれない」と話す。
おじさん本が相次いで刊行され、自ら語ったり、語られたりし始めた背景には社会の変化があると指摘する。「中高年の男性は今まで社会で中心的、主体的な立ち位置にいたので、イジられたり、めでられたりする対象にされることや、気持ちを吐露することが少なかった」
メディア文化論を専門とする田中教授は「インターネットやSNS(交流サイト)の普及も手伝って、当事者以外による発信が増えたことも、おじさんが客体化の対象となるのを後押しした」とも分析する。
社会の変化に敏感になり、「自分は違う」と思わないことは「おじさん」でなくても大切だ。そのことを数々の「おじさん本」が、思いがけず教えてくれる。
(光井友理) -
由実さんとのエピソードが興味深い。