ボケ日和―わが家に認知症がやって来た!どうする?どうなる? [Kindle]

著者 :
  • かんき出版
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感想 : 7
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感想・レビュー・書評

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  • いろいろな例がたくさんあり、本当に勉強になりました。

  • 認知症の祖母を介護するために読みました。
    認知症のことがよくわかり、介護する側の心も少し軽くなるような内容でした。
    知は力なり。認知症や介護、看取りに向き合いたいと思います。

  • とてもためになる本。これまでもけっこう情報は集めてそれなりに親のボケに対応してきたつもりだけれど(なのでボケの症状はけっこう知っていたけれど)、ボケの4段階をそれぞれ説明してある本書で、父が1,母が2だということがわかった。次はどうなるということが書いてあるので、今後親がどうなっていくのかの予測がついて、そうなったときにあわてなくてすむ。
    祖父の認知症を見て認知症専門医になったという著者はユーモアがあり文才もあって、とても読みやすい。世話をする方に余裕がなければ認知症の人の介護はできないという信念から、くれぐれも無理はしないで使えるサービスを活用するようにということを言っている。さすが専門医だけあって、母のかかりつけ医はどうもちゃんとわかってないかもと思わせるところもある。早期認知障害の段階なら薬物治療や脳リハビリが効果があるそうだ。そんなことはこれまで教えてもらえなかった。
    母は薬の管理ができなくなっているが、これは中核症状の一つだそうだ。このごろは得意だった料理がおっくうになって朝以外はあまり作らなくなっていると思っていたら、これは作らないのではなく作れないのだそう。毎日同じ朝ご飯を作るのも献立が立てられなくなっているからなのだ。このころの患者は、冷蔵庫を買い替えて冷凍庫と野菜室の場所が違うと、野菜を凍らせたり冷凍品を野菜室に入れたりするらしい。母のところの冷蔵庫は買い替えはしていないけれど、解凍された冷凍品がたくさんあるのも、使おうと思って解凍してあったのを忘れたのかと思っていたら、そもそも入れるときに間違っているのかもしれない。
    レベル3になると周辺症状が出て、このころが介護する側は一番きついらしい。ただこの時期は1-2年で終わるとのこと。幻覚、妄想、徘徊、その他はきついが本人の体力が弱れば減っていく。しかも易怒性が出た場合については薬があるそうだ。幻覚については、どんなものが見えているのか聞いて話を合わせるといいという。ところで物盗られ妄想は一番世話をしている人に対して出るので、これを言われたら勲章だと思っていいとのこと。お金で苦労した人に出やすいらしいので母は大丈夫かも。帰宅願望では視点をずらすというテクニックが紹介されていた。
    グループホームの効用が紹介されていたり、夫婦で認知症も悪くはないと書かれていたりするが、母と父ではうまい具合にはいかない可能性のほうが高い。最期は食事を摂れなくなって亡くなる、体重40キロをきったら薬の量を減らさないといけないとか、写真をたくさん貼るといいとかは実用的な知識として覚えておこう。

  • 知っているだけで、少し楽に。リアリティオリエンテーション、試したらダメね。情報という名の安心。

  • 認知症の初期から末期まで。
    周辺症状の7~8割りはコントロール可能。
    メマリー錠使うべし。
    怒ってもいい。
    寝なくても風呂に入らなくてもいい。
    体重と薬、40キロ以下になると減らすべし。
    ラコール、高エネルギーでオススメ。
    ガンのように終末期医療(延命措置しない)選択肢が必要。
    家電、買い換えると使えなくなることも。

  • 気になった箇所
    食事が摂れない飢餓状態や水分が取れない脱水状態が続くと私達の脳内ではモルヒネ様物質が放出され、ふわふわと心地よく酔ったような状態になり、苦しさも不安も恐ろしさも感じなくなります。つまり、食事が摂れなくなるのは、生命に与えられた最後の安らぎなのです。
    何も出来ず見守るだけというのは思いのほか辛いものですが、この場合はなにもせずに、ただ見守るのが思いやりなのです。

    子や孫に、死を通して、当たり前の生を見せること。それがしんでいく者の最後の務めだと私は思っています。そして、去りゆく人のさいごの贈り物を受け止めて自らの糧とすること、それは遺される者の務めなのです。

  • 新聞の広告で見かけてちょっと気になって、取り寄せて読んでみました。とても興味深く、読んで良かった本でした。認知症専門のお医者さんが書いています。
    認知症ってなんかよくわからないけど、怖い。認知症を治す薬もないというし、なったら人生終わりなんじゃないかって。
    人は知らないものは怖いんだって。事前に知っていればたいていのことはなんとかなる!というコンセプトで書かれた本です。読んでみてなるほどと思いました。
    今のところ私は介護の当事者ではないからこそ、今の時点で客観的にこの本を読んでみて良かったと思う。
    認知症や介護が何の予備知識もなく突然のことだったら、動揺して色んな変化を受け入れられないかも。でも、知っていれば少し違うんじゃないかな。心の持ちようというか。
    認知症がどんな風に進むのか、その時にどんな対処ができるのか、順を追って丁寧に書かれています。
    純粋に、あぁ人はこんな風な道を辿って死へ向かっていくのだなぁとしみじみと暖かい気持ちで思えました。綺麗ごとばかりではないんだろうけど、死は忌み嫌うものではなく自然の摂理なのだと。
    語り口が優しいから素直にそう思えるのかもしれません。読んでおいて損はない良い本でした。認知症や介護がもっと現実的な問題となってきた時にはもう一度読みたい。

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著者プロフィール

1966年、名古屋市生まれ。名古屋市立大学医学部卒業。認知症専門医。現在、医療法人ブレイングループ理事長として、在宅生活を医療・介護・福祉のあらゆる分野で支えるサービスを展開している。主な著書に、『認知症専門医が教える 脳の老化を止めたければ歯を守りなさい!』『ボケ日和』(小社)などがある。

「2023年 『マンガ ぼけ日和』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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