破戒 (まんがで読破) [Kindle]

  • Teamバンミカス
4.09
  • (9)
  • (7)
  • (5)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 82
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 本棚登録しようとして初めて知ったんだけど、この「マンガで読破」シリーズってたくさん出てるみたいですね。ずいぶん前にメルカリで何冊かセットになってたのを見つけて買い、そのままになっていたのでこのヒマなゴールデンウィーク中に一気読みしました。
    本作は島崎藤村の小説をかなり忠実に漫画化してある。差別の実態や、明治期、解放令が出されて法的には差別がなくなったはずの時代に、いかに人々の偏見が根強かったか、差別をなくすことがいかに難しく、差別された人々自身が闘わなければならない厳しい現実があったかがよくわかる。被差別部落出身であることを隠して尋常小学校の教員をしていた主人公が、追い詰められ、悩む姿を描いている。息子を想い、隠し抜けと遺言した父が脳裏に浮かぶシーンを、マンガならではの面白いタッチで天井から父が降りてきて睨むように描かれているのが、辛い中にもクスッと笑えて面白かった。
    私は読書家を自称してますけど、実は日本の純文学作品はあまり読んでないのですが、島崎藤村だけは読んだな。その記憶からしても、この漫画はだいぶ忠実に再現してあると思いました。今の中高生には、原作の小説は読みづらいかもしれないけど、これなら読めて、いいんじゃないかな? 

  • 一度文章で読もうとしたのだが読みにくそうだったのと時間がなかったのとで読めなかった。
    この漫画のシリーズはそういうののとっかかりとしていいと思う。
    実際に学問のススメはこれで読んで興味を抱き解説本を読んだ。

  • 穢多という身分に生まれ、それを隠しながら生きていくこと。打ち明けてはならぬという戒めを破ることは苦悩は計り知れない。

  • 穢多という立場は当時とても辛いもので、当然に差別されていいとされていたんだなあと理解できた。
    当然に差別していいとされた存在がいい人だと思っている相手だったとき、人の中に混乱が生まれているのも見てとれて興味深かった。

  • 純文学の漫画化。
    明治時代に被差別部落出身であることを隠して生きる若い教師が、自らの出自を明かして誇りを取り戻す物語。枯れた文学かと思いきや、内容はかなりパンクだった。テーマが明確で構成も完成度が高い。小さな違和感がドミノのように倒れて大きくなっていく過程もサスペンスフルでハラハラする。

  • 部落差別の話。小説読むのはちょっと大変だけど、漫画だと簡単なので良いですね。

  • 穢多の話。小説読もう

  • NDC(9版) 726.1 : 漫画.挿絵.童画

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1872年3月25日、筑摩県馬籠村(現岐阜県中津川市馬籠)に生まれる。本名島崎春樹(しまざきはるき)。生家は江戸時代、本陣、庄屋、問屋をかねた旧家。明治学院普通科卒業。卒業後「女学雑誌」に翻訳・エッセイを寄稿しはじめ、明治25年、北村透谷の評論「厭世詩家と女性」に感動し、翌年1月、雑誌「文学界」の創刊に参加。明治女学校、東北学院で教鞭をとるかたわら「文学界」で北村透谷らとともに浪漫派詩人として活躍。明治30年には第一詩集『若菜集』を刊行し、近代日本浪漫主義の代表詩人としてその文学的第一歩を踏み出した。『一葉舟』『夏草』と続刊。第四詩集『落梅集』を刊行。『千曲川旅情のうた』『椰子の実』『惜別のうた』などは一世紀を越えた今も歌い継がれている。詩人として出発した藤村は、徐々に散文に移行。明治38年に上京、翌年『破戒』を自費出版、筆一本の小説家に転身した。日本の自然主義文学を代表する作家となる。

「2023年 『女声合唱とピアノのための 銀の笛 みどりの月影』 で使われていた紹介文から引用しています。」

島崎藤村の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×