羅生門 (まんがで読破) [Kindle]

  • Teamバンミカス
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感想・レビュー・書評

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  • 本棚登録しようとして初めて知ったんだけど、この「マンガで読破」シリーズってたくさん出てるみたいですね。ずいぶん前にメルカリで何冊かセットになってたのを見つけて買い、そのままになっていたのでこのヒマなゴールデンウィーク中に一気読みしました。
    この「羅生門」は、平安時代末期が舞台。生きるためは悪いこともしなきゃならない、仕方ないんだ、と、羅生門で死体から髪を抜いている婆に出会った多襄丸が気付く。続く「偸盗」では、やはり生きるために強盗を働く兄弟が、美しい一人の女性に、翻弄されながら、お互いを裏切るのか?それとも最後には兄弟を信じるのか?という物語。そして一番読み応えがありゾッとしたのが「藪の中」で、藪の中で起こった殺人事件の真相が最後まで分からないという話です。3人が3人とも、自分が殺したと言う。しかしどれも話が食い違う。異様に生々しく、怖い話だった。
    私は読書家を自称してますけど、実は芥川龍之介とか、日本の純文学作品はほとんど読んだことがありません恥。なのでマンガで読んでみました笑。

  • 有名な羅生門だけでなく、
    知らなかった「偸盗(ちゅうとう)」、「藪の中」という2作が入っているのがよかった。

    どれも人の業だったり、背徳的な心理などを描いてる作品だった。
    あと基本最後は闇の中パターンで、スッキリしないけど、そういうのも好きなので、悪くない。

    「羅生門」は、下人が老婆の身ぐるみを剥いで、闇の中へ消えてくやつ。

    「偸盗」は、昼ドラ的な物語で、1人の女を奪いあってた兄弟が最終的にその女を殺して、2人で闇の中に消えてくやつ。

    「藪の中」は、ミステリーな物語で、一つの殺人事件に対して、登場人物の3人とも別の証言するが、確かめる術はないから、真相は闇の中なやつ。

  • 平安時代、羅生門を舞台に繰り広げられる。どれも終わり方が釈然としないところがある。
    羅生門
    死人の髪の毛を抜いてかつらを作ろうとするお婆。仕方がなければ何をやっても許されるのだろうか…。
    偸盗
    沙金をめぐり対立する太郎と次郎。結局は沙金に裏切られ、嵌められていることに気づき、二人でされる金を殺してしまう。心変わりや天罰といったものについて考えてしまう。
    藪の中
    死んだ武弘、その妻・真砂、盗人・多襄丸それぞれが武弘を殺したと証言し、真実は藪の中となる。本当に人間の心こそ無明の闇だと言ってよい。ただ激しい感情ばかりを燃え上らせて、そのうち世を去るのが人生である。

  • 『羅城門』『偸盗』『藪の中』収録
    原作は既読。羅城門の下人が多襄丸という名前だったり、映画の影響などを受けていそう。

  • この短編で芥川龍之介はどのようなことを伝えたかったのか、考えさせられる。記憶、とは 証言とは

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著者プロフィール

1892年(明治25)3月1日東京生れ。日本の小説家。東京帝大大学中から創作を始める。作品の多くは短編小説である。『芋粥』『藪の中』『地獄変』など古典から題材を取ったものが多い。また、『蜘蛛の糸』『杜子春』など児童向け作品も書いている。1927年(昭和2)7月24日没。

「2021年 『芥川龍之介大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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