生の短さについて 他二篇 (岩波文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 「遠回りしてる場合じゃない」

    やりたくもないこと。

    例えば、
    周りがやってるから、流行りだから、他にやりたいこともないから。
    人生におるけるほとんどが、そんな風にやってることばかりな気がするなぁ、と。
    大学受験も、就職活動も、人間関係も、
    体裁とか親が金と時間かけてくれたからなとか、
    友達がやってるからなとか。
    そんな理由でしたくもない勉強やったりカードゲームを覚えたり部活でテニス始めたり。

    もともとスキーやってて、でも今はしてない。
    好きだったゲームもやる気にならない。
    なんとなく惰性で本読んで時間を潰して生きてる。

    セネカさんよぉ、おれこのままじゃ長生きしても実質早死にしちゃうね。

    さて、本なんか投げ捨てて好きだったゲームやるかな。
    暇するほど人生長くないらしいから。

  • It gave me a lot of inspiration. I found it really interesting that people who lived about 2000 years ago worried about similar things to us.

  • 人は絶えず、死に向かっている。しかし、殆どの人はその事実に目を向けず、なんの保証もない「明日」を妄信して今という瞬間を過ごしている。生きる上で大切なことは、忍耐だ。これはどんな苦しみにも耐える為のもの、というニュアンスとは対偶の、如何なることが起きようとも動じない結果的な心の安定、という意味である。物欲、肉欲、承認欲、自我より生まるるあらゆる欲求は自らの理性をもって飼いならすべき対象であり、如何なる時も欲に使役されてはならない。

  • 2,000年以上前に書かれたとは全くもって思えない、鋭い人間観と実践性が光る一冊だった。巻末解説にある通り、論語にも通ずる思想感で、馴染みにも助けられスッと入ってきた感覚。快楽ではなく徳を追求し、決めた目的に誠実に尽くす。十分に良く生きたなと、死に際で振り返れるようにしよう。

  • 好きな本Top10のひとつ。
    セネカの容赦ないビンタで頬がじんじんするけど。

    「生の短さについて」
    人生あっという間なんだよねーってのは誰でも言う。事実そうなんだけどそれで分かった気(終わり)になるなんてとんでもない。なぜ短いのか、仮に800年生きたら本当に満足なのか?どんなに長くても足りないって文句言うんじゃないの?みたいな。
    長生きしたいっていうくせに長生きしたら文句たらたら、財産にはがめついのに時間には無頓着、雑多な事に忙殺されるなって言ってもただ惰眠を貪ったりダラダラすんな、怠惰に忙しく過ごすな、などなど。次々と繰り出されるビンタ。
    まぁ殴られに来てるのでいいんですけど全ての文章が「仰る通りでございます」の返事しかない。
    彼がこれを記したのは西暦49年とのことなので50歳の時。さすが。350歳が書いた文章のよう。
    2000年前のローマでも髪型に拘る人がいたようで「頭の見た目は良くても頭の健康はどうでしょうねぇ」とのお言葉。

  • 人生が短いというのは飽きるほど聞いた言葉ですが、自分のために生きる時間と考えた時に痛感するものであると改めて感じました。
    瑣末なことに時間を取られ、他者に時間を奪われ、老いて何もできなくなるまで働き、そこからの人生があるように(おいても今の自分のように多くのことが出来る状態でいられるかのように)老後に期待する。
    こんな過去から変わらぬ人の生について考える機会を持てます。
    長い時間いただけで、長く生きたわけではない。
    というのはあまりに重い言葉でした。
    現代の哲学という言葉より広い範囲なので自然科学なども含めた広い学問と脳内変換して聞くとすんなり受け入れられました。

    他ニ編
    快楽主義者がエピクロスを言い訳に贅沢を繰り返す様子などは、都合のいいように自分のしたいことのために理論を利用する過去現在未来に共通した態度であるなとしみじみと。

  • 権力闘争よりも地位や名誉よりも人生で大事なもの。それは人類が積み上げてきた知識・知恵のさらなる積み上げに貢献する行為である。と読んで思った。

  • 『生の短さについて』『心の平静について』『幸福な生について』の3編が収録されている。

    2000年以上前に書かれたとは思えないほど、現代人に通じるものが非常に多かった。
    ストア派の考え方が非常によく伝わる本。

    我々はまるで自分の時間が無限にあるかのように、会社や他人やパートナーや家族に時間を使っている。そのように忙殺されて人生を送り、老後に突如閑暇の時間が訪れると、自己の中に癒し、安らぎがないことに気づき苦しむ。

    とりわけみじめな人間は、他人のためにあくせく働き、他人とともに歩み、眠り、本来自由であるはずの愛憎ですらも他人の言いなりにする人間である。そうした人間の生のうち、いったいどれくらいが自分の物なのだろうか?

    欲望するものを何とかして手に入れようとし、手に入れた後は失わないよう不安の時を過ごす。その間に永遠に失われた時間のことは気にも留めない。外的なものに喜びを見出すのではなく、徳により自己の中に幸福を見出すべきである。

    自分の力で避けえないことにいちいち動揺してはならない。我々は神の王国に生きているのである。

    万事を軽く捉え、万事に柔軟な精神で耐えよ。生を嘆くよりは、生を笑い飛ばす方が、よっぽど人間的である。

    ・・といった感じの内容。
    読んでいて、原始仏教や論語に通じる部分があるな~と思った。またこの考え方はあまりにストイック(ストア派なので)で、自分にはちょっと受け入れがたい部分もあった(真の快楽は快楽を蔑視することである、とか)。
    快楽主義といわれるエピクロス派の本も読んでみたいです。

  • 反脆弱性,バーベル戦略,ダウンサイドを抱えるポジションを取らないこと...
    タレブの教えの原石が眠っている.

    ストア哲学とは究極の達観なんじゃなかろうか。

    Audibleで聞いた.
    正直,セネカの文章は若干読みにくい(聞きにくい)

    ーーーー
    ・人は自分の人生、時間は易々と差し出し、浪費する。
    ・賢者は物事が望み通りになるのではなく、考えた通りになる。

    ・命も財産も家族も全て借り物
    ・(財産を失って )もっと身軽になって哲学せよとおいう思し召しなのだ。

    ・人は外的なものに毀損されず征服されないようにしなければならない


    ・快、不快ではなく徳、不特を軸に.徳の対価は徳そのもの

    ・財を失って狼狽するのは富を所有しているのではなく、富に所有されているから.

  • 生きることの意味、時間の大切さを説いてくれる

    過ぎ去った過去を振り返っても仕方ないし
    漠然とした未来に不安にやきもきしても仕方ない
    現在を真面目に思考して行動することの大切さ。

    一度読んで終わりでなく、1年に一回程度折にふれ読み返したい

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著者プロフィール

ルキウス・アンナエウス・セネカ(Lucius Annaeus Seneca)。紀元前4年頃(紀元前1年
とも)~紀元65年。古代ローマのストア派の哲学者。父親の大セネカ(マルクス・アンナ
エウス・セネカ)と区別するため、小セネカ(Seneca minor)とも呼ばれる。ローマ帝国の
属州ヒスパニア・バエティカ属州の州都コルドバで生まれ、カリグラ帝時代に財務官とし
て活躍する。一度はコルシカ島に追放されるも、クラウディウス帝時代に復帰を果たし、
のちの皇帝ネロの幼少期の教育係および在位期の政治的補佐を務める。やがて制御を失っ
て自殺を命じられることとなるネロとの関係、また、カリグラ帝の恐怖の治世といった経
験を通じて、数々の悲劇や著作を記した。本書はそのなかでも「死」との向き合い方について説いた8つの作品がもとになっている。

「2020年 『2000年前からローマの哲人は知っていた 死ぬときに後悔しない方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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