- Amazon.co.jp ・電子書籍 (290ページ)
感想・レビュー・書評
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なんだこれ。めちゃくちゃ役にたつじゃないか!いちおっさんに一冊、必携です。いや、一家に一冊、と言っておこう。おっさん用に書いてる部分は多々あれど、今や会社トラブルの対処も不倫の処理も、男女平等なのだから。
私はボランティアで週一回労働相談で電話番をしている。幸いにも滅多にややこしい相談は無いのだけど、ずーと、ずーと20年くらい思っているのは、「教育委員会はどうして高校の授業で労働法を習わせないのか?」という事だ。日本の労働者(経営者も)は、労基法の基本を知らなすぎる。
みなさんは、会社とのトラブルとは無縁かもしれませんが、法律を知っているのと知らないとでは、大きな違いが出てくる。
・「ついにクビを宣告されてしまった」→合法とされるリストラはほとんどない。証拠を集めて戦えば撤回させることは可能。
・「転職したいのに、辞めさせてくれません」→ 内容証明郵便で退職届を出せば、受け取った時点で受理される。
・「残業代なし」がうちの会社のルールです→残業代はきっちり1分単位で計算し割増賃金を払わないと違法
・強制される自主的なレポートやボランティア→ 内容証明郵便で「参加したくない」と伝え、最低賃金法などへの違反を問え。
‥‥コレ全部目次とその次の対処法の小見出しです。皆さんの所では大丈夫だろうけど‥‥。
ちょっと前までは、アルバイトに多かったけど、「ああ、うちは有給休暇って制度ないから」などと本気で信じている人が多かった。実は一定の労働をした人には全て有休を与えなくてはいけない(労基法の基本の基本)。更には19年からは、申請しなくても年5日以上有休取らないのは違法になっている。
本書が役立つと思ったのは、単なる労働法解説ではなくて、著者が元労働組合役員で実践的に問題解決に尽力してきた「経験」があるから、杓子定規な対応のアドバイスをしていない点である。上の対処法も、目次を見てそのまま真似しないでほしい。あらゆる不幸は常に具体的なのだから、対処も具体的なのである。労働トラブルは、基本的に3つの場所に相談する方法があると言っている。「労働基準監督署」「労働組合」「弁護士」である。それぞれのメリットとデメリットを、私も納得できるように書いているので、是非読んで欲しい。具体的な「戦術」は、そこから生まれる。私が特に良くぞ書いてくれた、と思ったのは、労働組合に相談するとそれで安心して、全部、労組がやってくれると勘違いしている人がたまにいることである。そういう人に松沢直樹さんは言う。
「基本的には自分が主体的に動く必要があるという点だ。理不尽な解雇は違法であることが多いが、自分からなんらかのアクションを起こさないと助けてもらえない」(23p)
反対にいえば「貴方は本気で闘う気はあるんですか?」と先ず聞いておきたい。(いや、逃げるという手もあるよ、勿論。その場合の相談にも乗ります)
後半はセクハラ、不倫、離婚、遺産相続などの生活トラブルについても書いている。今までにない特徴である。なかなか為になると思った。
本書は今年5月、hontの「期間限定価格」で100円でダウンロードした。2021年発行なので、直近の法改訂まで目配りしているし、ちゃんと弁護士の監修もついている。価格が内容と釣り合わないというのは、特に資本家には耳の痛いことを書いている本書のような商品がそういう目に遭うのは、資本主義の持つ「矛盾」なのかもしれない。というわけで、次のキャンペーンまで刮目して待つように! -
期待していた以上に面白かった!
具体的な事例に、具体的な対処法も良い。
そしてイラストも良い。クスッと笑ってしまう。
もちろん実物お買い上げの方が役にたつとは思います。
いろんなトラブルに共通するのですが、
闘おうと思えば、証拠を取らなくてはな...
もちろん実物お買い上げの方が役にたつとは思います。
いろんなトラブルに共通するのですが、
闘おうと思えば、証拠を取らなくてはなりません。サービス残業ならば、メモでもいいから出退勤の記録をずっととっておくこと、
言った言わないは絶対あるので、その日のうちに詳細なメモを残すか、録音しておくこと。
等々の具体的な戦術が書かれています。