未来のドリル コロナが見せた日本の弱点 未来の年表 (講談社現代新書) [Kindle]

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  • コロナの影響による日本の未来像の前倒しストーリー。
    若者を縛り、高齢者を守る。
    高齢化の国の弱点。

  • 一刻も早く手を打たなければ、対応についての選択肢は益々限られていく。日本国は非常に厳しい状況なのだ。
    危機を煽る訳ではないが、こうしてファクトを並べられると反論のしようもない。
    現実を直視して、粛々と対処することが大事だと思うが、どうして実行に移せないのか。
    これも日本人の特性かと思う。
    現場は非常に強いのに、リーダーの能力不足ということは、日本人では良く聞く話だ。
    不思議だが、たった一人のリーダーが無能という訳ではないと思う。
    リーダーはそれぞれ優秀なのに、なぜか集団になった際に、物事が上手く機能しなくなる。
    分かりやすいくらい間違った意思決定をしてしまうのは、何の力が働くのだろうか。
    政治家にしても、会社の上層部にしても、監査やガバナンスを利かせるための仕組みは出来上がっているにも関わらず、素晴らしい決定を行うことは本当に極稀だ。
    むしろ「なんでそんなことになってしまったの?」と問いたくなるような散々な結果が出てしまうことがある。
    少子化対策も非常に分かりやすい。
    コロナ対応も非常に分かりやすい。
    課題は見えていて、その解決策もある程度は示されていたはずだ。
    後は愚直なまでにそれを実行すればよいだけなのに、なぜか徐々に変な方向にズレていってしまう。
    ほんのちょっとした匙加減だと思う。とにかく「詰めが甘い」のだ。
    日本はコロナ禍によって少子高齢化が一気に加速してしまった。
    数字を見ただけで、本当に国家存続の危機と言えるレベルのことだと思う。
    なぜこの国のリーダーは若い人たちを救おうと思わなかったのか。
    若者の未来よりも年寄りの今を優先したという事であるが、本書でも記載されている通り、充分に両立は可能だったはずなのだ。
    私自身は現在50代だが、会社の人と話をしても、若い人同士が遊んだり呑みに行く機会は大きく減ったという。
    これは本書内でも強く書かれているが、若い時代の2〜3年は本当に貴重な時間なのだ。
    私のような50代の2〜3年とは、意味もその価値も全く違う。
    ほんのこの期間に出会いがないだけで、結婚が難しくなったり、出産が難しくなってしまうというのが現実的にあるのだ。
    本来は2人子供が欲しかった人も、諦めて1人でいいやという夫婦がいてもおかしくない。
    そんな一つ一つの積み重ねが、日本の少子高齢化を押し進めている。
    さらに外国人が日本に来にくくなっているのも、今後の日本の社会をどう変化させるのか予想しづらくさせている。
    本書で示した解決策は一つの案であるが、実は会社の中でも同じことを考えていた。
    そもそも若い人材を採用することが本当に難しくなっている。
    これは切実に実感していることだ。
    さらに、せっかく若い人材を採用できても、年寄り集団の中にポツンと一人だけ放り込んだところで、若者が活躍するのは本当に難しい。
    そもそも世代で見れば多勢に無勢であるし、チャレンジしようとしても年輩の人たちに応援してもらえる環境なのか。
    年輩者の経験というバイアスは、時に若者を蝕んでいると言えるのではないだろうか。
    諸先輩たちからすれば、若者の無謀なチャレンジを止めているつもりかもしれないが、「失敗を経験させない」ということが、どれだけ若者の成長を阻害することになるのか。
    そんな環境の中では、発想自体がすごい勢いで老化してしまうだろう。
    若さゆえのノリや勢いでやることも時には必要で、それを大人たちは許容するということだと思うのだ。
    社内人事についても「若者だけを集めた部署を作る」など、ある程度人員配置について考慮する必要があるだろう。
    「日本は戦略的に小さく縮む」というが、果たして本当にそんなことが出来るのだろうか。
    疑念を持ってしまうが、逆に言えば実行できなければ、益々貧しくなっていくだけだ。
    「自分だけは逃げ切れる」と思っている人も中にはいるかもしれないが、現実的には今の段階で60歳以下の年代の人は逃げ切れるはずがない。
    今の自分自身に何ができるのか?
    若い人に向けて、何を残していけるのか?
    今の子供たちが一人でも豊かに暮らせるためにはどうすればいいのか?
    本当に真剣に議論して実行できるところから速やかに進めることが大切なのではないだろうか。
    まずは身近な社内からでも見直してみたいと思った。
    (2023/1/6)

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著者プロフィール

1963年、名古屋市生まれの作家・ジャーナリスト。人口減少対策総合研究所理事長、高知大学客員教授、大正大学客員教授、産経新聞社客員論説委員のほか、厚労省や人事院など政府の有識者会議委員も務める。中央大学卒業。2014年の「ファイザー医学記事賞」大賞をはじめ受賞多数。主な著書にはベストセラーの『未来の年表』『未来の年表2』『未来の地図帳』『未来のドリル』(いずれも講談社現代新書)のほか、『日本の少子化 百年の迷走』(新潮選書)などがある。


「2022年 『未来の年表 業界大変化 瀬戸際の日本で起きること』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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