自分の〈ことば〉をつくる あなたにしか語れないことを表現する技術 (ディスカヴァー携書) [Kindle]

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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感想・レビュー・書評

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  • 具体的なテクニック本ではなく、何故自分のことばで語ることが重要なのか、自分のことばとは何か、など、自分のことばについて語った本。
    自分のことばというと、自分を見つめなおして考えることのように思えるが、他者との会話から生まれること、など他者と自分を考えさせられる。

  • 「私でなければできない表現をするということ」それ乃ち、何かを表現するということ。副題にもなっている通り、何度もその重要性が書かれていた。

    しかし、生活や仕事の中でそれをするためには、「他者の存在」が必要不可欠であると言うこと。表現とは、「他者の存在があってこそ成立する」ということを、私は肝に命じておく必要がある。

    そして、自分が考えていることを他者に示し、それについて他者から意見をもらいつつ、再度自分自身で考え、また今現在の自分を内省するといったように、表現するという行為は、前述したように「自分と他者」といった相互の関係があって初めて成立する。

    情報を収集すること自体は否定しない。しかし、大切なのは、それらの情報を鵜呑みにするのではなく、「私がどのように切り取って、どのように自分のことばで語れるか」ということである。

  • 発信力というかスピーチ力みたいなものの得方を期待していたが、どちらかと言うとアイデンティティの確立とかそっち系の話だった。
    ちょっと漠然としていてお気持ち度がつよめ。
    自分を確立すること自体は私のテーマでもあるので参考にならなかったわけではないよ。

  • 読むのに時間がかかりました(一文一文咀嚼しながら読まないと理解が追いつかない)。

  • タイトルから多彩な表現力を身に着ける技術に重きを置いた本と思っていたが、筆者の主張である――「自分の〈ことば〉をつくるとは、自分のテーマを持って自己および他者と対話すること」という視点にハッとさせられた。
    ここで筆者が言うテーマとは単なる話題(トピック)ではない。自分の中の意識こそがテーマなのである。テーマを持っているからこそ、トピックに対して様々な感情が生まれ、それが表現につながる。
    そして様々な価値観・考えをもつ他者と対話することで、表現が更に昇華される。
    自分にとってはかなり難解な本で、恐らくは半分も理解できていないが、この「テーマ」持つという点を心がけてみようと思う。

    その他、メモした内容
    ・人は、その成長する段階でその社会や文化の影響を受けつつ、さまざまな人との交流の中ではぐくまれてきているわけなので、その結果としてのモノの見方は、すべて個人の「メガネ」を通して観ているということです。つまり、何を考えようが、感じようが、すべては自分を通しているわけで、対象をいくら客観的に観察し、事実に即して表現しようとしたところで、それらはすべて自分というメガネを通した思考・記述でしかあり得ないということになる
    ・原野守弘『クリエイティブ入門』という本の中で、「創造とは、「借りて」「盗んで」「返す」というプロセスの繰り返し」と指摘されています。 人がものをつくりあげるということは、もともとゼロから始まるわけではなく、他者の仕事を「借りて」「盗んで」「返す」ということであるとすれば、そこに本来的なオリジナリティが存在するのではなく、他者とのやりとりのプロセスにおいて、さまざまな刺激を受けつつ、それを自分のものにして、最終的には、自分のことばとして表現する
    ・「自分がどう見られるか」を気にすることと、相手がどう考えているかを知ろうとすることは、まったく別のことであるはず

  • 自分のことばは、他者との関係の中で生まれてくるものだと分かった。
    自分にしか話せない、人間的な言葉を紡ぎ出せる人になりたいな。
    そのためには、自分自身と向き合うことが大事。それを作ってくれるのが他者でもある。
    1人の時間も、周りとの時間も、どちらも大切でかけがえのないもの。
    結局はそのときの自分の意識かな。
    「今、君は何を考えているの?」って時々自分に聞いてみることにしよっと。

  • 伝えたいことを「自分オリジナルの言葉」で表現する方法を解説した本。

    借り物の言葉だらけのレポートやプレゼンではなく、自分の主張が伝わる表現力を身につけたい方にオススメの一冊。

    特にレポート、論文、プレゼンを行う機会が多い大学生にオススメです。

  • ・人は基本的に自分の好きなこと、興味・関心に即して行動している。

    ・トピックに対する「なぜ」があってはじめて「言いたいこと」が生まれ、それによってひょうげんの視点が定まるといっていい。

    ・「テーマと主張は、問いと答えである」

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著者プロフィール

早稲田大学大学院文学研究科課程修了(博士(教育学))。信州大学、金沢大学等を経て、早稲田大学大学院日本語教育研究科教授、2013年退職。現在、早稲田大学名誉教授、言語文化教育研究所八ヶ岳アカデメイア主宰。専門は、言語文化教育学、日本語教育。
[主な著書]
『日本語教育と日本事情――異文化を超えて』(明石書店、1999年)
『日本語教育は何をめざすか――言語文化活動の理論と実践』(明石書店、2002年)
『「ことばの市民」になる――言語文化教育学の思想と実践』(ココ出版、2012年)
『対話をデザインする――伝わるとはどういうことか』(ちくま新書、2019年)
『自分の〈ことば〉をつくる――あなたにしか語れないことを表現する技術』(ディスカヴァー21、2021年)
『「活動型」日本語クラスの実践――教える・教わる関係からの解放』(監修・共著、スリーエーネットワーク、2022年)

「2022年 『共生社会のためのことばの教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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