- Amazon.co.jp ・電子書籍 (321ページ)
感想・レビュー・書評
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自分磨きに余念のない78歳のおばあさまが主人公の話。
小気味よくて面白かった。
なかなかの展開で、途中から引き込まれ具合が加速。一気に読んでしまました。
著者は、大河ドラマとかの脚本でお見かけする内館牧子さん。小説は読んだことがなかったけれど、いやー、ドラマチックで面白かった。
苦労もあったけれど、ずっとやっていた酒屋を息子夫婦に継がせて、愛妻家の旦那さまと暮らしている忍ハナ(78)。
夫婦ともに「品格のある老い」を目指していて、年寄りくさくなるのが許せない。同窓会で会った友人たちの「ババくささ」や、長男の嫁の化粧っ気のない装いに、心の中でケチをつけまくる。
そんなハナさんの周りで、いろいろなことが起こり、その度に、インパクトのある反応でガシガシと前に向かっていく感じのハナさんなんだけど、最後の方では
「品格のある老い」が「寛容さ」なのだと気が付く。
そんなお話。
誰もが「老い」と向き合っていかなくてはならないし、まぁ、私なんて、結構「老い」が近づいてきているわけで、いろいろなことを考えさせられました。
「寛容こそが品格のある老い」
という結論にも納得だけど、やっぱり、ハナさんのように、諦めずに「自分らしく」(という言葉は使い古されているかも、だけど)生きていけたらなぁ、とか思いました。
そうそう、小説の中で「セルフネグレクト」という言葉が使われていて、初めて聞いた言葉だなーと。
「もう、どうせ死ぬんだから、オシャレしたって仕方ないじゃない。楽な方がいいわよ。もう、仕方ないわよね」
と、自分という存在をネグレクトしてしまう、ということみたい。
確かに親の世代を見ていると、そんな感じのことを考えていそうな気も…。
それには抗っていかないといけないんでしょうね。
その年齢になったら、どう考えるかわからないけれど…。
物語の中で、78歳のハナさんが同窓会から帰るとき、他の人たちがみんな「リュックを背負って」、「同じような帽子をかぶって」歩いている、というようなくだりがあったのだけれど、あぁ、街で見かけるおばさまたち、そういえばみんなそんな格好をしているなぁ、と。そして、パッとみたら誰が誰だかわからない…。
「寛容」ではいたいけれど、「セルフネグレクト」にはなりたくない。
そんなことを考えました。
いやー、最後まで忍ハナさん、カッコよかったw
※内館牧子さん、こういう主題の小説をたくさん書かれているんですね。他のも読んでみよう。読むものがどんどん広がっていくなぁ。 -
「裏を見せ 表を見せて 散るもみじ」
良寛の言葉。
人の胸の内にも裏と表とある。それを出すか出さぬか・・・。
夫に「きれいだ、お前は宝だ」と言われ続け、幸せな老後を迎えていたはずが、夫の急死と共にあばかれる、重大な夫の秘密。
テンポの良いストーリーと爆笑したくなる言葉が満載。
60歳以上の方にぜひおすすめ(*^^)v -
元気な年配者の毒舌を聞き続けるだけではなく、二転三転ある作品。
外見は内面に作用するには同感だし、自分もそうでありたい。
また年齢に関わらず菩薩でありたいと思う。 -
常に若く美しくありたいと頑張る78歳、忍ハナさんのパワフルで痛快なお話。
ポンポン出て来る歯切れいい辛口なフレーズは、作者の性格とセンスを見るようで気持ちいい。
自分には、欲しくても無いものだから余計に心に響く。
思わず顔をしかめるような、激辛な部分もあったけど、それさえも「ヒロイン」ハナさんの魅力に見えて来る。
とにかくテンポよく読ませる展開で、先が気になって仕方ない。
電子書籍で読んで正解、スキあらばという感じで開いてた。
ラストもサバサバと気持ちよくて満足。 -
78歳なのにすごーくおしゃれなおばあちゃんとその家族のお話。
作中母子家庭の男性が出てくるんですけどね、その方の言葉がずーんとささりました。
周りから可哀想と言われても、本人なんとも思ってないことって多いんですよね -
親にも読んでもらいたいくらい。歳とか関係なく、自分のやりたいように行動しておくのが1番だと思う。他人のこととか気にせず、迷惑かけない程度にグイグイいくぞ。