The Seven Husbands of Evelyn Hugo: The Sunday Times Bestseller (English Edition) [Kindle]

  • Simon & Schuster UK
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  • 七回結婚した、ハリウッドで一世を風靡した大物女優の話(フィクション)ときいて、恋多き女の激しい恋愛話、みたいなものを予想してたけど、ちょっと違う展開で、確かに切なく狂おしい恋愛といえるんだけど、七回も結婚したのには事情があって……。その事情はわりに早い段階で明かされるんだけど、けっこう驚いた。
    あと、その大物女優イヴリン・ヒューゴは、自分の真実を明かす評伝の書き手として、ほぼ無名の若いライターを指名するんだけど、それはなぜなのかっていうのも謎で、それがわかったときも驚いたし、うまいなと思った。

    悲惨な家庭から抜け出すため、望む生活を手にいれるため、美しさとセックスも武器に貪欲にほしいものをつかんでいく主人公イブリンがいっそすがすがしく、その強さ、たくましさは好ましく思えた。彼女がのし上がっていくハリウッド映画の世界、贅沢な生活とか、アカデミー賞授賞式とか、華やかなエピソードも読んでて楽しかった。

    強く思ったのは、ほんとうに、「愛情」というのには人ぞれぞれにさまざまな種類や形があるものだ、ひとそれぞれでまったくいいのだということ。イヴリンとハリーとか、あとモニクの両親とかも、性的な恋愛感情がなくても強く深く結びつくことはできるし、そのくらい強い結びつきなら結婚してもまったく問題ないんじゃないかとか思えてきた。家族っていう形もなんでもありなんじゃないかとか。

    だんだんラスト近づくにつれ年月もたって親しい人たちが死んでいくし、死ぬ権利、みたいな話も出てきたのは、ちょっと読むのがつらかった。

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