女の子の謎を解く [Kindle]

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  • 笠間書院
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感想・レビュー・書評

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  • noteで著者の大奥の書評を読んで、とても面白かったので、興味が湧いて手に取った。
    時代もジャンルも様々に、女性を語る本。

    各章の切り口は面白く、読みやすかったけど、もっと紙幅を使って語って欲しかった、と感じた章もいくつかあった。
    働くヒロインとか、平成の少女漫画のヒーローが弱い話とか、もっとあの漫画もあの小説も出して、と話し足りない気分というか。
    この問いかけで始めたけどこれだけで終わるのか、もっと読んでいたい、と思ってしまう魅力ある文章なんだろう。

    著者の文体や着眼点など好みなので、他の本も読んでみたい。

  • 『大奥』で逆転したものの話や、2010年代坂道アイドル論が面白かったです。
    あと、"この国は、少女が好きすぎる。"の一文に笑いました。男性クリエイターだけではないかな。みんな好きすぎ!

    …と、全体的に楽しく読んたものの、なんかこう、ヒロイン論というと、ジェンダー論や女性性の話にいかざるを得ないのか…的な気持ちにもなり。
    前書きで「ヒロインのきらめきに惹かれ、彼女たちの素晴らしさを語りたい」とあるので、もうちょっとテーマの幅を期待してました。

  • 小説や漫画、ドラマ、映画、アイドルの「ヒロイン」についての作者の考察が書かれた本。こういった本を読むのはほぼ始めてだったのですが、YouTubeとかで漫画などの考察をしている動画を見る感じで、ライトに楽しみながら読めました。そういった考察・解釈系の話が好きな人は、楽しんで読めるんじゃないかなと思います。ただ、元となる小説や漫画などがあるので、何か知っているものがあったほうがより話がわかる気はします。

  • 映画や漫画やアニメをこんな風に女の子の視点で見たことがなかったので新鮮でした。優しい語り口でありながら分析は鋭いです。いろいろと新しい視点をもらえて目から鱗。
    宮崎駿と萩尾望都の章は、謎かけと回答の流れが本当にみごとでした。

  • 働き始めて社会人になり「女の子って楽しいけれど生きづらい」そう私は思っている。
    そのモヤモヤがなぜかを「批評」と言う形式でヒントを教えてくれている作品。

    女性として生きていくと、どうしたって選択をしていかなくてはいけないじゃないですか。
    素敵な人と結婚する、好きな仕事に就く、子どもを産む、いいお母さんになる、戦う美少女になる。
    全て欲しくても、何かを諦めて生きていかないといけない生きづらさを女性は抱えている。
    そんな「生きづらさ」の正体を三宅さんが真っ向から「ヒロイン」を通して見つめてくれていて、安心しました。


    個人的に刺さったのは、ジュディ型とシンデレラ型の話。私自身は、ジュディのような「自己実現のための労働」は出来ているけれど、どこかモヤモヤしている。それって何なのか、なかなか本を読んでも、人と話しても解決しない。
    そんな中、三宅さんは書いてくれていた。
    多くの本では、ジュディ型とシンデレラ型はフェミニストが分裂しますよー。で終わるんだけど、そこで終わらずに『ブルックリン』で労働による自己実現が100%肯定している訳ではない。
    そこまで掘り下げてくれているのがとても救われた!


    女性が女性について書いてくれるので、救いがある。色々な角度からヒロインを掘り下げてくれるので、人それぞれに救われることが出来ると思う。
    「生きづらさ」を感じている女性には、この本をそっと差し出したいと思った。

  • 最近、三宅香帆さんの本

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著者プロフィール

1994年生まれ。高知県出身。
京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了。大学院時代の専門は萬葉集。大学院在学中に書籍執筆を開始。現在は東京で会社員の傍ら、作家・書評家として活動中。
著書に『人生を狂わす名著50』(ライツ社)、『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』(サンクチュアリ出版)、『副作用あります!? 人生おたすけ処方本』(幻冬舎)、『妄想とツッコミでよむ万葉集』(大和書房)、『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』(笠間書院)。ウェブメディアなどへの出演・連載多数。

「2021年 『女の子の謎を解く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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