ヒトラー 虚像の独裁者 (岩波新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 悪魔化も魔術化もされていない、ヒトラーの軌跡についての詳細な記録でした。
    どのような過程で民主的なプロセスによりファシズム、全体主義が生まれるという悲劇が生じたのかについて、いろいろな解釈は可能ですが、偶然性と必然性いずれも感じる内容となっています。
    かなり痛ましい記録ですが、客観的に示してくださっているのでなんとか読み進められます。シンプルなメッセージ、国民の求める回答を示す、怒りを用いる、敵を設定する、映像を駆使する、演説を駆使するなどなど…

  • kindle。
    2021年の本。情緒を廃した客観的記述でヒトラーの歴史が語られる。ちょっと退屈に感じることもあった。

  • ヒトラーがどうやって総統になったのか
    ヒトラーは何がしたかったのか

    ともかく人たらしであったことはわかった。
    有力者の懐にうまく入って信用させ、
    風向きを読み、人を煽り、
    その煽られた人の勢いに乗るのがめちゃめちゃうまかったことがうかがえる。

    信念があったのかどうかはよくわからない。

    大ドイツ言うても彼はドイツ国籍じゃなかった。
    ユダヤ人排斥言うても彼は若い頃はそんな気配なかった。
    なんだかよく分からない。

    信念の一貫してない人が、
    時流に乗ることに長けているとめっちゃヤバい、
    それは国を滅ぼすってことはよくわかった。

    他人事じゃない怖さがある。

    アレントのアイヒマンも読んでみなきゃ、だわ。

    つか、この人がまわりからどういう人だと思われていたのかはある程度わかるようになるだろうけど、この人がどんな人だったのかは誰にも分からない、ということはよくわかった。
    多分、どの人についてもそれは言えるんじゃないかな。

  • 情報量がとても多くて細かいので、当時の政治や歴史の知識をあらかじめ身に着けた後に読んだ方が良かった気がします。目が泳ぐ。

  • 第二次世界大戦時のドイツにて総統として独裁的に権力を振るい、ユダヤ人に対するホロコーストにて悪名高いヒトラーの人物史を辿られることで、その人物像を描き出されています。若い時分から、才能に目覚め、それを使い権力の階段を上りゆく絶頂期。戦争指揮の敗北からの凋落の様。最後の時までの世界を巻き込んだ狂気の様子など。そのときそこで何が起こったのかがリアルに感じ取れます。また、この周囲で起こった全世界を巻き込んだ悲劇が、起こるべくして起こったのだということも理解することが出来ました。決して、ヒトラー一人で行われたものではありませんが、重要なアクターであったことも、今日の私達が分かっていないといけないことなのだと思いました。

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著者プロフィール

東京女子大学教授

「2008年 『武装親衛隊とジェノサイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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