ふしぎの国のバード 9巻 (HARTA COMIX) [Kindle]

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  • KADOKAWA
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  • 202202/1~9巻まとめて。キャラが漫画向け(主人公は若く美しくスタイル良くてちょっと天然お茶目、的な)されているのは気になるけど、テンポよく読み進められ感動エピも程よく入ってたりで、面白い。

  •  1878年7月30日,青森県の南端に位置する羽州街道の碇ヶ関を通過中に日食が起こる。そして山崩れで食糧を失う。到着した村では貯木場の丸太が流され,大量の怪我人が。8月2日,山崩れで孤立し食糧が尽きかけた碇ヶ関に足止めされたバードは怪我人の治療や病人の看病に明け暮れている。伊藤は赤松の内皮を使った松皮餅を作って振る舞う。村人の畳の芯の芋がらや囲籾(かこいもみ)など非常食の知恵が興味深い。災害などの悲劇が終わることを願った凧揚げ・羽子板・破魔弓,そして正月料理にお年玉(餅)などの取越正月の風習にバードは感動し,大切な儀式に文明の主食が用いられることに気づく。
     8月4日,青森県黒石町。風邪で体調が悪いバード。青森から函館行きの船が出るのは3日後なので休むべきだという伊藤。そこへ弘前の英学校の生徒がヘボン博士からの手紙を持ってくる。その青年の内戦での体験は地獄のようなものだった。
     8月7日水曜日,青森港に到着。いよいよ津軽海峡を渡る。乗った船は時代遅れの外輪船で,荒れる海に船酔いする伊藤はバードにアイヌに興味を持った理由を聞く。バードはチャールズ・ダーウィンを訪ね,白人種と黄色人種の頭蓋骨を見せられ,シーボルトのアイヌは太古の白人種ではという主張を聞かされていた。滅びゆく世界と消えゆく人々に魅せられたのだった。
     8月8日木曜日,函館坂町の宣教師館に落ち着いたバード。彼女はマリーズとは友好的に話したいと言うが伊藤はマリーズを知らないからそんなことが言えると渋い顔。函館の英国領事リチャード・ユースデンは開拓使長官に発行させた証文を準備し待っていた。ロシアが狙う北海道は英国の世界戦略の要の地なのだった。しかし旅籠町にいた伊藤はマリーズに連れ去られてしまう。

  • 引き続き、秋田から青森への旅。
    大雨の山道、土砂崩れ、洪水、孤立集落、そしてついに蝦夷へ!

  • バードさんが、日本の文明が気候風土に根付いていることに気づいたり、儀式に文明の主食が使われたりするのを考えたりするのが、この漫画のいいところ。
    そして、クライマックスに近づいているんだろうけど、次巻が気になる終わり方だったなぁ。

  • 19世紀後半、エゲレス人女性旅行家イザベラ・バードが明治初期の日本を旅する漫画の第9巻。

    今巻は青森県碇ヶ関(現平川市)から函館まで。
    碇ヶ関で水害を経験した話が読み応えがあった。碇ヶ関は急峻な山林に囲まれた地域で、長雨によって土砂崩れが起きて道が塞がれ、陸の孤島と化してしまう。食料を積んだ馬車が土砂崩れに巻き込まれて備蓄を失ったバード一行は道の復旧作業が終わるまでの数日間逗留し、乏しい食料のなかけが人の治療にあたる。

    この話を読むと、急峻な山林に囲まれた日本の国土では治水が重要な事業であることがよくわかるし、風土気候が人々の性格や文化風習技術の立脚点になっているのではないかという作中のバードさんの考察も興味深く感じられた。

    バードさんの日本旅行のきっかけが今巻で語られるのだけど、きっかけとなったのは生物学で多大な影響を与えたあのオッサン。ほんとうに種の起源て世界を変えたんだなぁ。

  • 待望の第9巻。今号は碇ヶ関→黒石→津軽海峡→函館へ。相変わらず厳しい旅が続いているが、そのなかにも日本人の「自然と人間の共生」が描かれ、「興味深いわ」と目を光らせるバードさん。あのC.ダーウィンとの対面シーン(回想)も面白かった。次号はいよいよ蝦夷地探検!
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