ジョン・ロールズ 社会正義の探究者 (中公新書) [Kindle]

  • 中央公論新社
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  • 『正義論』の政治哲学者ジョン・ロールズの生涯と業績を解説する新書、230ページ。他の著書で紹介されていた『正義論』の、本人の責任を問えないような偶然性の影響を遮る「無知のヴェール」の仮説にもとづく理論への関心などからもう少しロールズを知りたいと思って本書にあたった。

    ロールズの生い立ちから『正義論』執筆直前までが第一章、その後の第二~四章で『正義論』にはじまる三つの主著を紹介し、晩年の業績を確認する第五章を経て終章で総括する。ロールズの主張だけでなく、主だった批判についてもそれぞれ詳しく取り上げている点も本書の特徴だろう。

    本書をみてもやはりというか『正義論』の存在が大きく、他の著書や業績についてはやや影が薄い印象が残った。『正義論』の後には「単純化していえば、抽象性と具体性、あるいは理想と現実」への転回が見られるものの、その後の活動に『正義論』にみられるようなインパクトの大きさは窺えなかった。『正義論』自体の核となると思われる理論の解説については他の著書とおおむね同じで、全体的には私の理解力や知識が及ばないためかロールズへの関心や理解の深まりは得られず、素通り程度の読書に終わってしまった。

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    ■2022年9月24日(土)20:30 〜 22:15
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著者プロフィール

早稲田大学教授。1958年生れ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程単位取得退学。専門はアーレント、規範的政治理論。早稲田大学政治経済学術院長。著書に『公共性』『自由』『政治と複数性――民主的な公共性にむけて』(以上、岩波書店)、『不平等を考える――政治理論入門』(ちくま新書)、共著に『公共哲学』(放送大学教育振興会)など。

「2023年 『公共哲学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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