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感想・レビュー・書評
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『正義論』の政治哲学者ジョン・ロールズの生涯と業績を解説する新書、230ページ。他の著書で紹介されていた『正義論』の、本人の責任を問えないような偶然性の影響を遮る「無知のヴェール」の仮説にもとづく理論への関心などからもう少しロールズを知りたいと思って本書にあたった。
ロールズの生い立ちから『正義論』執筆直前までが第一章、その後の第二~四章で『正義論』にはじまる三つの主著を紹介し、晩年の業績を確認する第五章を経て終章で総括する。ロールズの主張だけでなく、主だった批判についてもそれぞれ詳しく取り上げている点も本書の特徴だろう。
本書をみてもやはりというか『正義論』の存在が大きく、他の著書や業績についてはやや影が薄い印象が残った。『正義論』の後には「単純化していえば、抽象性と具体性、あるいは理想と現実」への転回が見られるものの、その後の活動に『正義論』にみられるようなインパクトの大きさは窺えなかった。『正義論』自体の核となると思われる理論の解説については他の著書とおおむね同じで、全体的には私の理解力や知識が及ばないためかロールズへの関心や理解の深まりは得られず、素通り程度の読書に終わってしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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