モチべーションの心理学 「やる気」と「意欲」のメカニズム (中公新書) [Kindle]
- 中央公論新社 (2022年1月25日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (435ページ)
感想・レビュー・書評
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モチベーションはどのように生じるのか?それは何に影響を受けるのか?モチベーション心理学の理論を多く取り上げつつ、やる気や意欲という心理現象について詳しく解説する書籍。
モチベーション理論の中には、「グランドセオリー」(包括的で著名な理論)と呼ばれるものがある。例えば以下のようなもの。
・「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」
例えば勉強をする時、特定の目的(落第を避ける)のために行う場合を「外発的動機づけ」、その行為自体が目的(勉強が楽しい)の場合を「内発的動機づけ」と呼ぶ。
・期待×価値理論
モチベーションを期待と価値の関数として理解しようとする考え方。例えば、取り組む価値を感じても、期待値(実現可能性)が低ければ、モチベーションは上がらない。
グランドセオリーに対して、モチベーションをより詳しく説明する「ミニセオリー」がある。例えば以下のようなもの。
・目標説
「目標」によってモチベーションを説明する考え方。目標説の1つである「目標設定理論」によれば、困難で具体的な目標がモチベーションを高めると考える。また、どのような目標なのかという内容面と、目標がどう行動に結びつくのかというプロセス面にも着目する。
・自信説
自信とモチベーションの関係を説明したもの。例えば、人は自分に自信があるほど失敗を恐れる場合がある。これは、我々には、他者から見た自分のポジティブなイメージを維持しようとするなどの傾向があるためだ。
・成長説
人は生来、学びを通して成長しようとする傾向がある。この学びとモチベーションは不可分だとする考え方。
・非意識説
人の「非意識的な働き(潜在的認知)」が、意思決定などに影響を与えているという考え方。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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人材開発に関わる仕事をしているため、
人のモチベーションは何で高まるのか、そもそもモチベーションとは何か、体系的に学ぶために読んだ。
モチベーション理論の変遷や、言葉の定義もわかりやすく記載されており、発見も多かった。
褒めればやる気は湧くのか。
人は何にやる気を感じるのか。
実験データなどを引用しながら説明している。
自分は自尊心がモチベーションになる事が多いが、努力がリスクになるという弱点をもっている。
自分のモチベーションが何から生まれるのか、理解しておくと、自分でコントロールできる事が増える。
理論を知った上で日々の習慣や行動を変えていくきっかけにしたい。 -
「モチベーション」の仕組みを一つずつ分解して丁寧に解説した内容。教科書的だが読みやすい。
あくまで解説であり、やる気や意欲を上げるためのヒントなどが記載されてるわけではない。
これらをテーマとしたレポートを書く際の参考として重宝しそう。