プーチンの正体 (宝島社新書) [Kindle]

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  • 宝島社
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  • 『ロシア 語られない戦争』に続いて読んだ本。
    同書で第二次チェチェン紛争時に自作自演テロを起こしたプーチンや、国内での数多の暗殺について触れられていたが、本書ではさらに体系的にプーチンの事績を追うことができた。

    特に、プーチンが成り上がる経歴や、国内で独裁的な権力を手にするにあたっての過程、そして2010年以降の対外強硬姿勢と、おおむね3つのフェイズとしてプーチンやプーチンのロシアを理解できた。

    プーチンの側近や、FSB, GRU等の組織構造、並びにその具体的な作戦行動を、具体的な事件霊を通して体系的に知れたのも面白かった。

    独裁者と情報機関というものの一つのモデルケースとしてとても参考になった。
    中国はまた全然違う体系なのだろうか。そちらも気になるところ。

  • 過去記事の再録も含めて、プーチンが登場してきた経緯、登場してからの言動が時系列でよくわかります。

  • プーチンが21世紀とは思えない身勝手な侵略戦争をはじめて100日あまり。プーチンが豹変したという声もあるが、黒井文太郎氏はプーチンは元からこういう人物で何も変わっていないという。

    本書を読めばまさにそう。クリミア併合、シリア空爆、ウクライナ東部の内乱の画策なども十分きな臭いが、第二次チェチェン紛争のきっかけになったテロでさえプーチンがかかわった自作自演とされる。

    気に入らない人物は次々と暗殺するなど、およそ現代に生きる政治指導者とは信じられない暴君である。

    ネットの言論空間の工作やハッキングの手口なども書かれている。

    日本の外務省が「2島返還もあり得る」と楽観的な見通しでプーチンと交渉し、結果まったく進展しないというのも率直に書かれている。ようやくこの件も目が覚めて、日本も西欧と足並みをそろえて制裁できるようになった。

    おそらく東欧に平和が訪れるのはプーチンが政権を去った後、より確実にはこの世からいなくなった後だと思う。

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著者プロフィール

黒井文太郎(くろい ぶんたろう)
1963年、福島県いわき市生まれ。横浜市立大学卒業後、講談社入社。週刊誌編集者を経て退職。フォトジャーナリスト(紛争地域専門)、『軍事研究』特約記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、軍事ジャーナリスト。ニューヨーク、モスクワ、カイロを拠点に海外取材多数。著書に『イスラム国の正体』(KKベストセラーズ)、『イスラムのテロリスト』『日本の情報機関』(以上、講談社)、『インテリジェンスの極意!』(宝島社)、『本当はすごかった大日本帝国の諜報機関』(扶桑社)、『ビンラディン抹殺指令』(洋泉社)他多数。

「2020年 『新型コロナで激変する 日本防衛と世界情勢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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