2084年のSF (ハヤカワ文庫JA) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 逢坂氏の他作品が気になって。

    あまり読まないというか、どちらかというと苦手分野にて手に取りやすい短編は有難い。
    馴染みのない分野なので作家さんも知らない方が多い。。

    せめて映像化されれば理解出来るだろうけれど
    こういった文章からなる作品を映像化する人って本当に凄いけれど、反対に原作者の方とのイメージの摺合せはどうやってやるのだろう。。
    (本編では描写の無い椅子とか居住区空間とか、移動手段とか含め)
    コロナやウクライナ侵攻はやはり色濃く、池澤春菜氏のまえがきに同意。

    本屋大賞とか新作を読むことが多いけれど、反対に現代を未来として書いた過去作品で今の時代がどう表現されているのか、気になってきた。

    【仮想】

    福田和代「タイスケヒトリソラノナカ」
    →平成に「なぜここが現実だと分かるんですか」と教師に問う男子学生のドラマがあった。仮想空間でも青空はあったから。あれなんてドラマだったのだろう。
    最近はアバター界隈ですら人間関係消耗するというので、本当に好き勝手に行動できるのは別問題なのだろうか。

    青木和「Alisa」
    →アニメサイコパスを思い出したせいか、理解しやすかった。
    痴漢問題で電車でもカメラを設置しては?とメリット面を思うけれど、監視社会のデメリットについて どんなものがあるか 他の意見を知りたい。

    三方行成「自分の墓で泣いてください」
    →肉体が滅んでも意識を残す事って可能な時代がくるのだろうか。。

    【社会】

    逢坂冬馬「目覚めよ、眠れ」
    →社会に余裕にないときの福祉問題。
    東野圭吾氏の小説で世界に自分達だけになった、という作品があったけれど、主人公達は生き残れるのだろうか。

    久永実木彦「男性撤廃」
    →続編はあるのだろうか?描き切れていない登場人物達の内面が気になる。
    http://www.sf-fantasy.com/magazine/interview/220801.shtml
    他作品読んでみようか。。

    空木春宵「R__ R__」
    →個性的、と捉えていいのだろうか。難しい。。


    【認知】

    門田充宏「情動の棺」
    →問いかけたとき、答えが得られないまま、というのはその後どう生きていくのだろう。

    麦原 遼「カーテン」
    →数学に対する感覚 というのはどういうものなのだろう?最近は問題もある意味経験値で、解けば解くほど出来るようになるのは分かるような気もするけれど。

    竹田人造「見守りカメラ is watching you」
    →認知症で自分を覚えていてくれない家族との付き合い方って 人それぞれだとは思うけれど、コツというかマニュアルが欲しい。

    安野貴博「フリーフォール」
    →自分では絶対に思いつかなけれど、設定がSFだなぁ、としみじみ。想像力ってすごい。


    【環境】

    櫻木みわ「春、マザーレイクで」
    →文明が滅んだあとの生活って 猿の惑星の映画のラストが衝撃的であった。ここは地球だったのか、っていう。

    揚羽はな「The Plastic World」
    →環境もだけれど、誰と生活しているか、どんな存在がいるかで満足度は変わるだろうな。。

    池澤春菜「祖母の揺籠」
    →元は人間であった というお話にはどんなパターンがあるか、気になった。
    細分化した同テーマを設けての短編集とかもあったら面白い。


    【記憶】

    粕谷知世「黄金のさくらんぼ」
    →カメラのようでは無く、その人の思いを通しての記憶というのは正確性はないかもしれないが、何を感じていたのか、内面を知るてがかりにはなるのかもしれない。
    故人という事で、知ってどう処理するかという問題もあるけれど。

    十三不塔「至聖所」
    →謎が明らかになって、新しい道のりが始まる物語は創作ならではで好き。

    坂永雄一「移動遊園地の幽霊たち」
    →AIと会話する人達もいるけれど、どんな感覚なのだろう。

    斜線堂有紀「BTTF葬送」
    →1980年代は映画の黄金期という事で、作者おすすめを知りたい。サブスクも便利だけれど、反対に予想外の出会い、というものが無くなってしまった。。
    夜中や年末年始に特に興味なく観たテレビ放送の映画が記憶に残る、という体験も。


    【宇宙】

    高野史緒「未来への言葉」
    →スカッと爽快。 緊急の輸送 なるほど。タイトルの意味が分かる。

    吉田親司「上弦の中獄」
    →中華料理店のあるゴチャゴチャな街並みに近未来間があるのって何故だろう。暗闇に赤のライトとかのイメージ。

    人間六度「星の恋バナ」
    →それぞれの時代の学生同士の会話の特徴ってあるのだろうか。共通の話題も。


    【火星】

    草野原々「かえるのからだのかたち」
    →個性的??

    春暮康一「混沌を掻き回す」
    →村規模、国規模、世界規模で争いがあるのだから、惑星規模でもそうなのだろうなぁ。。

    倉田タカシ「火星のザッカーバーグ」
    →『この作品をどう紹介すべきなのか、正直よくわからない』そんなことがあるのか。。

  • 今から60年後なので何となくありそうな、でもないかと思うですがちょっと短い話が多すぎて題材が消化不良かな・・・

  • ほぼ知らない人ばかりの短編集

     SFはいいなぁ。いつもこう思う。今回、記憶に残る作品はなかったものの、読んでいる間はとにかく楽しかった。分厚い本なんだけれど、楽しい読書タイムだった。またSFろうっと。

  • オーウェルの「1984」から100年後の2084年の世界を、SFコンテストや本屋大賞を受賞するなど活躍中の23作家が描きます。

    なかなか読み終わらないと思ったら文庫本で500ページ超。様々な未来をたっぷり楽しめます。

  • 【5本読んでの感想】
    非常に浅くて陳腐。未来社会像に真新しさはなく、センス・オブ・ワンダー的なものは見られない。問題提起や物語のテーマ、あるいは価値観は、あくまで2022年のいま現在のものでしかなく、その上で考察も浅い。価値観やテーマが現在のものなので、ガジェットや設定が未来であっても、全然未来感や意外性を感じない。
    2084年という設定の意味もあまりなさそう。といか2050年くらいでは?
    SFってこんなもんでいいんだ、という落胆。

    【半分まで読んでの感想】
    素晴らしい作品が目白押しだった! アイディアも、物語としてのおもしろさも。
    ガジェットとして既知のものでも、(『フリーフォール』の認知加速、『見守りカメラ is whathing with you』の監視社会)、シチュエーションを工夫すれば十分新奇性の話は出てくる。また、『情動の棺』は秀逸で、未来を描くうえで「丁寧に問題提起する」ことの大切さを突き付けられた。
    コロナ禍など、現代読者を意識してる作品はやはり減点ではあると思った。

    【最後まで読んでの感想】
    駄作もまぎれてはいたものの、好みではないが想像力溢れる作品や、そしてドストライクの作品もアリ、全体的にはうならされた。ひとつのベンチマークとして非常に刺激になる作品集であり、またいくつものマイルストン的両作に出会うことができた、というのが最終的な結論となる。
    ちょっと自信を喪失したりもした。

  • 個人的には初めて読み切った短編集だった。
    たぶん、テーマ設定があり、SFプロトタイピング要素があったことが個人的な嗜好にフィットしたものと思われる。

    非常に多くのタイトルから構成されるが、1つの仮定で様々なストーリーが展開可能なんだと思え、基本的に全てが個性的で面白かった。
    特に設定や構成・展開が気に入った作品 → タイスケ〜、目覚めよ眠れ、R_R_、情動の棺、見守りカメラ〜、フリーフォール、上弦の中獄、星の恋バナ、

  • (新書・文庫)『2084年のSF』日本SF作家クラブ編
    2022/7/2付日本経済新聞 朝刊
    ■『2084年のSF』日本SF作家クラブ編

    ジョージ・オーウェル『一九八四年』は予言的作品として知られる。その100年後、2084年の世界をSF作家23人が短編で描いた。睡眠なしで活動する社会に適合できない少年を語り手にした逢坂冬馬の「目覚めよ、眠れ」、女性のみで生殖でき、男性が冷凍保存された久永実木彦「男性撤廃」。技術進化と社会の分断を取り込んだ作品が目を引く。(ハヤカワ文庫・1320円)

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