魔眼の匣の殺人 屍人荘の殺人シリーズ (創元推理文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • とても面白かった。1作目も面白かったけど、個人的にはこちらの方がより好きでした。葉村くんと比留子さんのやり取りをずっと読んでいたい。後半の謎解きシーンも面白かった。シリーズの背後にある謎の機関についても気になるところ。続きが気になる。

  • これと翡翠のシリーズ、表紙描いている方が同じ遠田志帆さんなの、読む前に混同する原因と思うw

    最後まで読んで、やっと今回の話の・・「今までのミステリと違う点」がわかった・・ような・・気がする?
    解説何回も読んで・・w

    まず、本物の予言の力が今回の「非現実」設定で、それが100%としてある。
    解説で言っていたけど、今までの予言とかそういうのはどうやって「不自然でなくその通りに」殺すか、ってことがトリックだった。たいていは予定外のことが起きたり不可能を可能にするために不自然性が目立ったり、そっからホコロビが出てきてバレてしまう。

    今回は「男2女2の合計4人が死ぬ」これが100%ていう縛り。
    現実だったら、予言なんてないんだからさ普通は100%じゃないよねって話。

    じゃぁ、これを結果とするなら、匣に閉じ込められた10人のうち、誰が死ぬことにするのか?っていう・・真逆に考え方になるんよな。何?数学?推理パズル?よくわからないけど、誰か死なせたくない人がいる OR 死にたくない ならば先に殺せば条件満たされてこっちは助かるやん!っていう心理。
    ありえないけど、よくある○○しないと出られない部屋みたいなのに近いのかな? リアルではまず考えられない状況だよねこれは。自分死にたくない心理と、大事な人を死なせたくない心理。

    あともう一つへぇーって思ったのが、十色さんの予言に似た状態を作ればいいって考え方。100%の予言ってものがそもそも現実にない(多分)から、ほんとうのルールはどうか知らないけど、リアルを予言に寄せてくるってあんまりなくない?
    虚構の物語にリアルが寄せてきて結果予言的になる、ああいう感じかな??

    比留子と俺の関係性について。
    彼女にかかっている呪い(?)もホンモノであり、呪いが100%本気で彼女を殺そうとしてくるなら、一作目でワトソンになって欲しくて依頼してきた気持ちと矛盾してないかな??
    ワトソンになれない=ワトソン的役割できないって話じゃなくて一緒にいられないって意味かと思っていたから。
    ホームズにはなれない=僕を守るために自分をおとりや犠牲にするやり方は明智ならしない(僕の求めるホームズ像ではないでしょ?)の意味か?
    揺れてる2人の心理はどういうことなのだろうか。。

    多分、この分だとこの呪いもホンモノで、斑目シリーズの核心部分に当たることなのだろう。
    そういう非現実設定を、本気でリアルとして考えると、なんかフィクションで読む感覚とは少し違ったもののみかたや、先入観があったんだって気づかされて面白い。ミステリマニアでは全くないのに、型にはめていたんだなってわかる。

  • 今村昌弘さんの屍人荘の殺人の続編となる美人女子大生とその後輩のコンビによるミステリー。

    前回はゾンビが出てくるぶっ飛んだストーリーだったが、今回は予知能力者を絡めつつ、その予知事実に引っ張られながらの正統派な密室殺人のトリックが展開されていく。
    最後の最後で、今回の予知能力者の正体が明かされ、ビックリな展開で、最後まで楽しく聴けました。

  • 【短評】
    前作<屍人荘の殺人>が予想以上の傑作だったため、興奮冷めやらぬままに本屋にダッシュして仕入れた<剣崎比留子シリーズ>第2作である。貪るように読了。

    見事に期待通り。
    ミステリィ界に新たな「型」を示した前作を引き継ぐのだから、読者としては相応のモノを期待してしまうが、決して低くないハードルを見事に乗り越えてくれた。「予知能力」という使い尽くされたテーマを、奇想と論理を同居させる”らしい”スタイルで見事に纏めれくれた。素直に面白かった。

    【気に入ったところ】
    ●「予知能力」を解くべき謎ではなく「前提」に据えた思考ゲームが本作の魅力。やはり文章が非常に読みやすく、作中の「ルール」は違和感なく頭に入ってくるので、アレコレと思考する楽しみがある。読了後「ミステリィを楽しんだぞ」としっかり満足できた
    ●青春ミステリィとしても良い感じ。葉村君と比留子さんの「友達以上恋人未満」な距離感のやり取りが微笑ましく、事件とは別に読む手を進ませる原動力になっている
    ●帯で綾辻行人が指摘していた「犯人特定のロジック」は確かに秀逸。本格しているなぁ、としみじみ
    ●ラストまでの怒涛の展開は非常に好み。結構注意深く読んでいたつもりだが、まんまと騙された。こういう趣向を仕込んでくるとは思わなかった。正直悔しい。悔しいが、、、、良かった

    【気になったところ】
    ●瑕疵は無いが、やや地味な印象。愚見だが「予知能力」の魅せ方なのかなぁと思う。確かに事件の前提として「予知能力」は機能し、違和感なく物語に融合しているが、事件を”盛り上げる”要素たり得てるかというと疑問符が残る。「予知能力無くしてはありえない事件」がよりハウダニット的な意味だったらな、と。

    第3作の文庫化はもう少し先か…。我慢できるかしら。

  • audiobook.jpにて。

  • 前作と比較して、だいぶ落ち着いたミステリ作品になっていた。
    ヒロインの剣崎比留子が感情を剥き出しにして犯人と対決する物語のため、剣崎比留子ファンにはたまらないだろう。
    恐らく意図的に、続きが気になるような終わり方をさせている。
    この作品を最後まで読んで、次作を読まないという選択肢を取れる読者は、一体どれだけいるだろうか。

  • 尸人荘の殺人の続編。全作品も良かったが、今作も負けないくらい良かった。sfとミステリーを織り交ぜた斬新なミステリー作品だと思う。sf要素はあるが、かと言って推理がsfに偏るわけでもない。偶然と故意的な事故/殺人により事件は複雑になっていく一方で、最終場面ではそれを見事に回収している。それも、二段階ほどのプロットトゥイストによる、読者の予想をはるかに凌駕する結末だった。

  • 何事も一方からの視点では本質はつかめない。どうやって他の視点を身につけるか。それは自分で経験するのもよいし、人から聞く、本から学ぶなど、その方法は無限にある。他の視点を身に着けようとする姿勢が大事。

  • この方の書くミステリー。解決編のちょっとしたどんでん返し的な驚きと主人公達の出す結論。好きですね。

  • 葉村くんのキャラクターがダルい。殺人の動機も弱い。
    初対面同士のクローズドサークルモノとはいえ、人物に魅力を感じない。
    最後のちょっとしたどんでん返しだけが少し面白かったくらい。
    前作のゾンビモノの方がスピード感とドキドキ感を味わえて好み。

    このシリーズはもう読まない。

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著者プロフィール

1985年長崎県生まれ。岡山大学卒。2017年『屍人荘の殺人』で第27回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。同作は『このミステリーがすごい!』、〈週刊文春〉ミステリーベスト10、『本格ミステリ・ベスト10』で第1位を獲得し、第18回本格ミステリ大賞[小説部門]を受賞、第15回本屋大賞第3位に選出。映画化、コミカライズもされた。シリーズ第2弾『魔眼の匣の殺人』も各ミステリランキングベスト3に連続ランクイン。2021年、テレビドラマ『ネメシス』に脚本協力として参加。いま最も注目される期待の俊英。

「2021年 『兇人邸の殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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