事件は終わった (集英社文芸単行本) [Kindle]

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  • 地下鉄無差別殺傷事件。
    1人の青年が突如車内でナイフを振りかざし、妊婦を切りつける。
    犯人に立ち向かった老人が、返り討ちに遭い亡くなった。
    その後犯人は乗務員により取り押さえられ捕まった。
    事件は終わった。

    物語はここから始まる。

    心や身体に事件の傷を残した乗客たち。
    【あの時】に残した様々な思いがジクジクと棲みついて、その後の生活に影響を及ぼしている様を各視点で。

    バラバラに紡がれるストーリーが、最後にまた【あの時】に繋がる。
    各々がトラウマを乗り越えた時、ようやく本当に事件が終わったのだと感じさせる。

    切り口が良かった。
    降田作品、やっぱりいい。

  • どの章もラストが???という感じ

  • 年の瀬に起きた地下鉄S線内無差別殺傷事件。時が過ぎ、それぞれに日常が戻ってくるはずだった-。事件が終わって始まった不思議で切ない“その後”を描く連作短編集。

    今からちょうど1年前、実際に京王線内で起きた無差別刺傷事件をモチーフにした作品。事件にかかわった人々のその後を描く7篇の連作短篇は、いずれも味わい深く秀作揃い。降田天はプロット担当と執筆担当の2人によるユニット作家で、実力は確かと再確認した。
    (A)

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著者プロフィール

(ふるた・てん)プロット担当の萩野瑛(はぎの・えい)と執筆担当の鮎川颯(あゆかわ・そう)による作家ユニット。少女小説作家として活躍後、「女王はかえらない」で第13回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、同名義でのデビューを果たす。「小説 野性時代」掲載の「偽りの春」で第71回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。同作を収録した短編集『偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理』を2019年に刊行した。他の著書に『匿名交叉』(文庫化に際して『彼女は戻らない』に改題)『すみれ屋敷の罪人』がある。

「2021年 『朝と夕の犯罪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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