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感想・レビュー・書評
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本書は自己啓発書のようなタイトルと構成ではあるけれど、
本当の自分を見つけ、成長し、行動し、ポジティブ思考を推奨する現代の自己啓発書に対する、アンチ自己啓発書になっている。
本書では、ストア派の哲学をベースとして、
己の内面を見つめたりするな、人生のネガティブにフォーカスしろ、きっぱりと断れ、感情は押し殺せ、コーチをクビにしろ、小説を読め(自己啓発書や伝記を読むな)、過去にこだわれ、と自己啓発書では見ないようなアドバイスが並んでいる。
機動性よりも安定性を重要視し、自制心や心の平安、義務感を大切にする内容になっている。
特に印象に残ったのは、ネガティブにフォーカスすることで、自分の大切なものや人を失うことを想像することで、その大切さがわかる。
なかなか面白いし、自己啓発書に疲れた人には特におすすめです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「もっと成功しろ」「もっと立派になれ」「もっと幸せになれ」「もっと生産的になれ」「自分自身を見つけろ」という現代の強烈なプレッシャーに対する爽快な反撃の書。骨折り損でしかない自己啓発に対して、ストア派思想を援用したスヴェン・ブリンクマン氏は、本人がそう意図したかどうかは別として、真に啓発的な著書を書いたのである。
――オリバー・バークマン(ガーディアン紙)
という宣伝に惹かれて購入したら大当たり!まさにこの宣伝通りの本。特に印象に残ったのが『自分らしくあることには何の本質的価値もない』『自分が関わる人々に対する義務を果たすことの中にこそ価値が内在する』というところ。何が自分らしさなのかわからず悩んでいた時期もあったけど、なあんだ悩む必要もなかったのかと思えてスッキリした。