魔法のリノベ ： 5 (ジュールコミックス) [Kindle]

著者 : 星崎真紀

• 双葉社

感想・レビュー・書評

[たなかさんの感想 · 2023年10月3日]

自分的に久しぶりの星崎真紀さんマンガ。玄之介さんも小梅さんもそれぞれに持ち味があってとてもよい。お父さんの社長も味があるし、仕事のできる弟の建築プランナー竜之介さんの立ち位置もすごくよい。ただし、昔ながらの家族経営の小さな工務店なので、いろいろと古さを感じるところはどうしてもあって。小梅さんはその辺の意識がはっきりしていそうだけど、昔ながらの時間を気にせずに仕事しまくるタイプでもあるので、この工務店と相性のよい部分もあるのかなと思っていたら、5 巻でその辺の梃子入れがしっかり入ってきて、いろいろわかると思ってしまった。夏目さんの立ち位置や考え方や口にする言葉は、わたしにもとてもわかりやすい。でも、営業としてはその言葉の先を考えることが大事という小梅さんの言葉は、しっかり先輩だなぁと思った。思えば、小梅さんは転職前の仕事先でも教育係をやっていたのだし、そもそもまるふくにも玄之介さんの梃子入れにやってきたのだし、練れている人なのだよなとあらためて。5 巻では、小さな子どもだった進之介くんもえらく成長を遂げていて。え？　玄之介さんと小梅さんって今いくつ？　と、指折り数えそうになった。ふたりのあいだの近づきそうでそこまでは進まない距離感が、がっつり職場恋愛譚どろどろばなしにもつれこまずに、お仕事マンガから大きく外れることはなくて、自分的にはとても和やかに読むことができて、その辺がとても好き。小梅さんと元カレとのゴタゴタも、玄之介さんのほうの顛末も、大筋としては職場恋愛譚どろどろばなしなのだけど、登場人物たちがみなそれぞれ恋愛にのめりこんで自分を見失ってしまうタイプではないので（小梅さんの元職場の彼女もデスヨ。ずるいタイプではあるけど）、すごく安心して読めて、星崎さんマンガの自分の好きなところはここなのだよなと、あらためて思ったりした。とはいえ、玄之介さんと小梅さんとの間柄が進む構想もあるのかな。続きがあるみたいなので、そちらを読むのが楽しみ。

家をつくるというのは、自分の生活スタイルを確認し直す作業なのだなと、あらためてつくづく思った。いろいろな人たちがいろいろな生活の仕方をするものだから、それらはすべて同じにはならない。大事にするもの／したいものがあり、それぞれの予算があり。そのなかで少しでも居心地のいい暮らしをするために家をつくりあげていくのだなと。自分はそこまで具体的には考えられないから、家への欲も低いのかなと思った。でも、居心地のいい暮らし方をするのに優先したいものはなんなのかは、誰にとってもそれぞれに大事だと思った。

三つ子の話といえば『LaLa』時代から星崎さんだけど、この話に出てくる三つ子のあいだには、それぞれお隣さんなのにほぼ接触がなくて、きょうだいなのにー、と、ちょっと笑ってしまった。それぞれ家族との生活のほうが大事そうで、この辺もよいなと思った。

そして、知らないあいだにドラマ化していたらしい。本当に自分はメディアミックスに疎い……　でも、ドラマ化されやすい話なのだろうなと思う。巻末に毎回参考文献と協力された方々のお名前が掲載されていて、しっかりした取材を元に描かれてるんだなぁと感じ入った。毎回のそれぞれの間取りもとても楽しうございました。自分の知らない他人の生活の仕方は、普段なかなか遭遇しないので、それが見えるように思い、本当に楽しかった。

[Double-Kさんの感想 · 2023年1月19日]

この5巻で完結ってことじゃないよね？令和版ってことみたいで。
確かにリモートワークとか加わっているもんなぁ。
あれ？ドラマ版はヨーロッパ企画の上田誠さんが脚本だったのか。

[petit_asuさんの感想 · 2022年11月21日]

続刊出たのがとにかく嬉しい。リフォームも好きだけど、何より「人との話の進め方」に興味があって。建売で同じ間取りのおうちのリフォームとくるとは。在宅勤務問題悩ましいね

[soloelfinさんの感想 · 2022年10月23日]

三軒並んだ同じ間取りの住宅の、それぞれのリノベーションがテーマの本巻。
玄梅コンビに追加の、新任営業部員のやり取りが新鮮でした。
在宅ワークや子どもが独立した後の夫婦二人の生活、旦那さんが家事をするケースなど、今時の事情が盛り込まれていて、これまでの「魔法のリノベ」からアップデートされたなと思います。