WILDERNESS AND RISK 荒ぶる自然と人間をめぐる10のエピソード [Kindle]

  • 山と溪谷社
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感想・レビュー・書評

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  • 雑誌などに発表した文章をまとめたもので、内容はやや散漫でエピソードによってクオリティのばらつきも感じた。

    一番印象的だったのは7つ目のエピソード「愛が彼らを殺した」。素行に問題のある青少年を自然の中で生活させ矯正を図る「荒野療法」なるもののルポ。

    元は英国ではじまったものが米国に持ち込まれ、モルモン教(布教が盛ん)と関係が深い大学を拠点にしたことで爆発的に広まった。逃げ場のない大自然の中で軍隊式の集団行動を行わせる団体が多く、食事や水分の制限をしつつ低温下での中シュラフや毛布を取り上げ行軍させる……といったプログラムでは死人も出てしまう。

    戸塚ヨットスクールや引き出し屋問題などとも共通する悲劇に暗澹たる気持ちになる一方で、追い詰められた親の気持ちを想像してもまた辛かった。

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著者プロフィール

1954年生まれ。ジャーナリスト、作家、登山家。
当事者のひとりとして96年のエベレスト大量遭難事件を描いた『空へ』(1997年/日本語版1997年、文藝春秋、2013年、ヤマケイ文庫)、ショーン・ペン監督により映画化された『荒野へ』(1996年/日本語版1997年、集英社、2007年、集英社文庫。2007年映画化、邦題『イントゥ・ザ・ワイルド』)など、山や過酷な自然環境を舞台に自らの体験を織り交ぜた作品を発表していたが、2003年の『信仰が人を殺すとき』(日本語版2005年、河出書房新社、2014年、河出文庫)以降は、宗教や戦争など幅広いテーマを取り上げている。

「2016年 『ミズーラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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