- Amazon.co.jp ・電子書籍 (311ページ)
感想・レビュー・書評
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トヨタ自動車のスポーツカー復活のノンフィクションです。
あまりトヨタという会社に馴染みがなかったのですが、こういうエンジニアたちがいるからこそ世界最高の自動車会社のだと思いましたし、こういう人たちを受け入れられる器の大きさが凄いと感じました。
車を中心とした組織の在り方等、経営視点でのビジネスのヒントも得られます。
著者はこの本のために四年間取材を続けたとのこと。本当に素晴らしい本です。
ありがたいです。感謝。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私が読んだのは紙の本です。夫がトヨタ系列の会社員だったり、昔スープラに乗ってたり、ゲームのグランツーリスモが好きだったりするので、このハチロク復活の話にも興味があって読みました。読んでる途中で夫に今こんなところ、などと話すとちょっとした蘊蓄?が返ってくるのも楽しかったです。エンジニアの苦悩や、1つの車を作ることの大変さ。企業にとって儲けることは、本当に大事なことで、どう折り合いをつけていくのか、こっちが禿げそうでした。読んでるだけなのに。これを読むと、スポーツカーに乗ってる人たちはもっと愛着を持てるのではないかな?
とても、読みやすい、読者にわかりやすいノンフィクションでした。 -
わかんないことや困ったことがあっても心配しない。
師匠が教えてくれたこと
知らないことがあっても当たり前だと考えろ
→車全てに精通、通じているオールマイティなCEはいない。自分の得意分野を一つ持ち、あとは専門部署と話ができるレベルまで必死に勉強すればいい。
即決が全て
→即断即決をして、背中を押すのがCEだ。間違ってたらその時に訂正すればいい。
約束と開発日程は守らなければならない
最新技術のリサーチを怠るな
→今現場は何をやってるのか目で見て回りながら、面白い技術を組み合わせて、新しいものを作っていく。そして関係部署を結びつけていく。 -
オーディブルにて。
会社の自伝(?)を無理やり下町ロケット風に書いた印象。でもノンフィクションなのでそれほど事件性もなく、拍子抜け。
愛知県出身なのでトヨタ自動車勤務の知り合いも何人か思い浮かぶ中、こんな文化の会社なんだなあと理解する楽しみ方はあったものの、車にまったく興味がないのでほぼ面白くなかった。
直近でイーロンマスクの伝記を読んでいたので、やはりイーロンは見ている次元が違うなと感心した。テスラとトヨタを比べるのは間違っているなと。
逆に世界のトヨタはもっと地球のためになる活動ができるのでは。 -
個人的に車は好きなので、トヨタとスバルが共同開発した86/BRZ、トヨタとBMWが共同開発したスープラ/Z4は知っていたが、かなり赤裸々な裏話が語られていて興味深かった。素材(内容)自体の面白さに加えて安定した構成力で、安心して読み進められた。
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企業としてはもちろん売れる車を作り販売しなくてはいけない、それはわかる。けど、男性の多くは男の子の頃からスポーツカー好きなんじゃないかな。
スバルとの合作で世に出した86、そしてBMWとの合作スープラ。
エンジニアたちの熱い思いや苦悩が細かに描かれている、名作でした。 -
読売GM経験者の清武英利氏によるトヨタエンジニアの実話録。86開発の舞台裏として、スバル出資の見合い、リッター100馬力のセールスポイント、スバルとトヨタをどう掛け合わせていったかが語られていく。マツダやBMWとの提携もカバーされているが、社内の駆け引きの描写がおおく、社長島耕作のような感じがしないでもない。
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トヨタ技術者の86 スープラ開発ストーリー
スバルとBMWとの共同開発で会社を超えた協力の姿が魅力的
文章がうまい -
86開発物語。トヨタの車開発の過程がよくわかる。
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一気に読んでしまった。一人のサラリーマンが苦労しながら仕事を全うする話だが、実際の話に基づいているので、あたりまえだがリアリティがあり、トヨタで自動車開発に従事する技術者がよく描かれている。
トヨタについては生産現場・生産方法の話ばかりで、開発に関する話は機密事項が多くて語られることが少なかったが、この本は開発が終わった後に振り返って書かれたとはいえ、よくここまで詳細に書くことができたと感心してしまう。トヨタの協力がなければ話さえ聞けなかったろう。また、実業界で実務に携わった経験がある作者だからこそ、聞き出せたところもあったかもしれない。
自動車の開発は、日本を支えてきたハコもの技術を代表する仕事であるが、そのような仕事に従事する一般の人をヒーローというか主人公にするような小説は、もう今後出ないように思う。題材を見極める力、取材力、執筆力が必要だからだ。
本書は、つまりこの作者ならではの作品である。今後も大いに期待している。