旋回する人類学 [Kindle]

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  • 人類学が何を問題にし、何と戦い、どのように応答してきたかを、平明に綴る。
    いくらか淡々とし過ぎて、もう少し熱っぽく語ってくれてもいいのにと、無い物ねだりをしていたら、最終章の「現在地を見定める」でパトスに満ちた語りが披露され、深い感銘で本書を閉じることができた。
    あらゆるものを相対化する視点が、つまるところ世界を変革する視座も方法も与えないまま世界を平板化して終わるのかと思いきや、この最終章でグレーバー、ラトゥール、インゴルドという3人のそれぞれの思考と実践のあり方が紹介され、読む者の心を震わせる。
    この3人を続けて読みたい、と強く思わされた。

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著者プロフィール

松村 圭一郎(まつむら・けいいちろう):1975年熊本生まれ。岡山大学文学部准教授。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。専門は文化人類学。所有と分配、海外出稼ぎ、市場と国家の関係などについて研究。著書に『くらしのアナキズム』『小さき者たちの』『うしろめたさの人類学』(第72 回毎日出版文化賞特別賞、いずれもミシマ社)、『旋回する人類学』(講談社)、『これからの大学』(春秋社)、『ブックガイドシリーズ 基本の30冊 文化人類学』(人文書院)、『はみだしの人類学』(NHK出版)など。共編著に『文化人類学との人類学』(黒鳥社)がある。


「2023年 『所有と分配の人類学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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