ザイム真理教 [Kindle]

著者 :
  • 三五館シンシャ
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感想・レビュー・書評

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  • うーん、未来に絶望しかないのか。

  • 森永さんの語り口が楽しく、苦手な分野の話も割と理解できた。
    意外だったのはもりかけ事件は、消費税を10%にするために、(安倍元首相に恩を売りたい)財務省が独断で実施したものではないかという話。そして戦後の首相の中で、ザイム真理教に入信しなかったのは、安倍さんだけだとのこと。

  • 財務省主導による経済政策失敗をわかりやすく説明してくれる本。読んでいるうちに、現在の政府にますます腹が立ってきた。本書は、日本国民必読書である。
    最後に、著者の1日も早い、病気からの回復を祈ります。

  • 森永氏の以前からの主張をまとめたもの。
    収入ー支出=借金なのだが、信用創造とか通貨発行できるということは、、一定の条件を満たすまでは借金しても問題な~し!というのは、パンピーの私には、なかなか腹落ちし難いかったが、昨今のリフレ派、MMTとかいろいろ情報があるので、少しわかってきた、、、かも。
     で、ザイム真理教の強力な洗脳に自分もおかされてたな。国民に一人あたりの借金が~!プライマリバランスが~!、そりゃやべーよ、借金減らすのが先だろ!と。
      真面目に勉強せんと、ほんとにやばい。
      最後に、公務員が自分たちの立場を優遇するためにずるしてる!という内容もあるのですが、体外の外務省職員は国民の幸せ・国家の反映を臨んでいる、はず!と信じます。ならばみんながいろいろきちんと理解して、洗脳を解かねば。

  • MMT(現在貨幣理論)については予算の組み方を根本から変える可能性をもった素晴らしいものという認識があるが、テレビでも顔が知れている森永卓郎氏がそれをどのように主張されるか興味を持って購入。MMTの説明としては、分かりやすさを重視されているようで、その点に若干の物足りなさも感じたが、氏のような有名人がMMTの側に立つこと自体に意味があり、心強く感じた。それにしても情けないのは政治家。立憲民主党も含めて、皆ザイム真理教信者ばかり。まともなのはれいわ新選組くらいか。皮肉なのは安倍政権のみが財務省に逆らったという意味で信者ではなかったということ。まあ安倍政権では反知性的という意味でザイム真理教を含めたあらゆる理屈が無視されていたということなのだが。

  • なぜこんなにも狂った政策(とにかく増税)になるのか、その理由について納得できる説だと思った。ひたすら従順で勤勉な国民性は、支配層にしてみればこんなに都合のいいことはないのだろう。どれだけ増税しても文句も言わず黙々と働く人たち。むしろ勤勉さはニッポン国民の誇りとすら考える人たち(自分も)。従順さは学校教育で形成されていったと思うが、教育現場が崩壊していく中、数十年後ははたして従順で勤勉な国民がどれくらい残るのか。かの大戦ですべてが廃墟と化し押し付けられた平和憲法のもとでさえ生き残ったシステムを改善するにはどうすればいいのだろう。時間経過とともに強固になっていくシステムに対してあまりにも無力である。

  • ・財政の穴埋めのために発行した国債は日銀が買ったときに、事実上政府の借金は消える。
    ー元本は10年ごとに借り換えてもらい、永久に所有し続けてもらう
    ーすると、利子だけを払う必要が出てくるので払う
    ーただ、日銀は得た利益を国庫納付金として政府に払うので、利子も帰ってくる
    ※ やりすぎるとインフレするが、2020年度に日銀が保有する国債を46兆円増やしたがインフレせずにデフレが続いたので、かなり高額まで大丈夫そう。
    ※ 消費税率を5%に下げることの財政負担は14兆円なので、この分を国債で賄えばよい。

    ・が、上記の理屈が通じないのは、財務省が布教を続けている「財政均衡主義」に他ならない。
    ー税収の範囲内に歳出を収めるという、経済学的にありえない話を「正しい」と思い込んでいる。

    ・政治家も入信していく。野田元総理がよい例。2009年の民主党政権奪取時には、マニュフェストを守らない自公政権を批判し、消費税を引き上げる前に天下りを無くす。天下り無くさずして消費税を引き上げる話はおかしい。と豪語したにも関わらず、その年の9月に財務副大臣に就任し、消費税増税派に鞍替えしている。
    ーなぜいきなり変わったか、財務省の「ご進講」あるいは「ご説明」と呼ぶ布教活動を受けたから。
    ー2010年には野田氏は財務大臣に就任し、2011年には内閣総理大臣になる。
    ー2012年には消費税引き上げ合意を成立。この合意により、2014年に8%、2019年に10%への引き上げが成った。
    ーもともとは消費税増税反対派だったのに、消費税増税を主導する筆頭になり、財務省は笑いが止まらなかっただろう。

    ・ほかにも、1997年に消費税を3%から5%に引き上げ、日本がデフレ経済に転落するきっかけを作った橋本龍太郎元総理は、「消費税率を引き上げても景気に影響はない」とご進講を受け「大蔵省に騙された」と述べている。

    ・安倍回顧録でも「時の政権に核となる政策がないと、財務省が近づいてきて、政権もどっぷりと頼ってしまう。菅総理は『消費税増税をして景気をよくする』と訳の分からない論理を展開した。財務官僚の注射がそれだけ効いていた。」と語っている。

    ・岸田総理も、自民党総裁選までは「10年程度は消費税率を引き上げることはない」と発言していたが、就任一年もすると、防衛増税を打ち出すなど、完全な財政緊縮派に転じてしまった。

    ・安倍内閣と菅内閣はコロナ対策で100兆円規模の予算を組んだが増税はしなかった。岸田首相は43兆円の防衛費増額ぐらいで増税している。


    ・50年以上、とてつもない繁栄を続けている企業18社の経営を徹底分析すると、「カルトのような文化」を持っていることが多い。
    ーカルトと「カルトのような文化」の差は、どこまでやるかというレベルの問題で、手法に違いはない。信者の生活を破壊すると同時に、教祖や幹部が太っていくという違いがある。
    ーディズニーランドがわかりやすいカルト文化。東日本遊園地協会の加入を断った理由は「ディズニーランドは遊園地ではなく、野外劇場」(お客はゲスト、従業員はキャスト、仕事はパフォーマンス、入社試験はオーディション)。遅刻してきたミッキーの中の人をスタッフは全員無視するが、着ぐるみを着て更衣室から出てきた時点で「やあ、ミッキー。今日は遅かったね」と声をかけた。

    ・財務省パンフレットにいきなり財政均衡主義の教義が登場する。「現在、日本の財政は深刻な赤字になっていて、その赤字を子供たちに先送りをしてはならない。この赤字を解消するために、消費税を引き上げるしかない」
    ー普通国債の残高が1029兆円で、赤ちゃんまで含めた国民一人あたり823万円もの借金を抱えている!
    ー嘘八百で、2020年度末で国債987兆円のほかに借入金や未払金なども含めた1661兆円が国の負債である。
    ー一方、現預金や有価証券が841兆円と土地や建物などの固定資産も280兆円持っており、資産は1121兆円となる。
    ー日本は借金も多いが資産も多い国。資産を差し引くと、実質負債は540兆円。日本のGDPは2020年度で527兆円なので、GDPと同程度の借金であり、これは先進国では一般的。
    ー嘘八百論を踏襲すると、国民一人の借金は1329万円だが、国民一人の資産も897万円で、実質借金は432万円。
    ーしかも、通貨発行益の532兆円を加えると本当に抱えている純債務は8兆円になる。

    ・新たに通貨を発行すると、発行者が利益を受ける。例えばあなたが絶対権力者で紙に1万円と書いてハンコをおして1万円として流通させると、あなたは1万円分の商品を手にする。
    ー江戸時代からあり、江戸初期は金の含有率が高い小判だったが、後期には含有率が低くなる。同じ価値だが、生産コストが違う。
    ー紙幣は日銀が発行しているが、硬貨は政府が発行している。記念硬貨も政府。
    ※ こちらも、乱用するとインフレになる。

    ・太平洋戦争の戦費を賄うために現在の価値にして5000兆円ほどの国債を日銀に買わせた。結果、インフレが発生し、物価が上昇した。
    ー1935年と1947年を比べると物価は109倍になった。物価上昇率43%。ただ、インフレだがハイパーインフレではない。ハイパーインフレを起こした国は物価上昇率1000%とかになる。
    ーなので、経済が根本から破壊され再起不能にはなってない。実際1950年には物価上昇率がマイナスになっている。
    ※ なので、5000兆円ほどの国債を保有すれば、数年で治癒可能ではあるがインフレが起きてしまうことが想定される。今日銀が保有する国債は500兆円ほど。

    ・2013年から黒田総裁が2%の物価上昇を目標に、年間80兆円を目途に日銀が国債を購入した。2016年までは毎年80兆円程度の国債を日銀が購入していたが、インフレも為替暴落も国際暴落も起きなかった。
    ー消費税は地方分を含めても年間28兆円。毎年国債で賄っても悪影響がでないことが、上記で立証されている。

    ・日銀が大量の国債を抱えると、金利が1%上がるだけで債務超過に陥るのでマズい…という論調がある。が、オーストラリアの中央銀行は2022年9月21日に純資産マイナスとなり債務超過に陥った。中央銀行は「国債は政府が法的に保障しており、中央銀行はお金を作る能力があるので、破綻はしない」と主張した。結果、何も起こらなかった。市場参加者は中央銀行の債務超過に関心を持たなかった。


    ・諸外国に比べて、日本の消費税は安い!
    ーいや、アメリカの州には消費税がない州もある…。

    ・失われた30年は消費税導入のせい。消費税を5%に上げたとたん、実質賃金の下落が始まり、デフレに転落した。この様子は、2014年の8%化でも2019年の10%化でも起きた。
    ーただ、賃金が上がらないのは消費税を上げたせい。というのは、業界の御法度である。
    ー1995年には世界の18%を占めていた日本のGDPが今や6%を切る。主要先進国の中で最高に近かった日本の賃金は、いまや最下位。

    ・20代後半男性の既婚率を年収別でみると、150~199万が14.7%に対して年収500万~599万だと53.3%になる。非正規社員の平均年収は170万なので、非正規社員の男性の大半は結婚してもらえない。
    ー現状の少子化対策は結婚して生まれてきた子供に対する対策。つまり、結婚してもらえるパワーカップルまたは高収入者のための政策。

    ・軽減税率の8%適用は、日本は食料品と新聞。電気やガスより、新聞が生活必需品という謎の国である。

  • 社会保険、消費税増税はただの財政緊縮だった?日本経済で権力を持っている財務省の裏側を森永さん節でこれでもかと書かれてて面白かった。巻き上げられた税を払わないためのベストアンサーが田舎での自給自足生活は何か悲しい。何千年前から富裕層・権力者のための社会制度が構築されているのだとコテンラジオを聞いてもそう思う…。

  • そんなこともあるのか、なるほどと思えるところも多くあった。
    森永卓郎さんの主張されることの真偽は実際やってみないとハッキリ良し悪しはわかりませんが一考の余地はありそうです。
    ただ、反証するような方の書籍も読んでみて自分の立ち位置や一票の投票先を決めたいと思いました。

    ただ、概ね一個人がどうにかできるものではないので大きな波に抗うよりも川の流れを理解した上で最善の選択肢を選ぶことの方が利益が多く、ストレスが少ないためこの人生ゲームの勝ち筋だと個人的には考えます。

  • 財務省をカルト教団と断定し、両者の共通点を述べるとともに、国民と政治家が洗脳されている実態を描く。
    収入の半分近くを何らかの形で納税している身としては明るい世の中を期待します。

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著者プロフィール

経済アナリスト、独協大学教授

「2022年 『楽しい!2拠点生活』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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