ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~ (5) (角川コミックス・エース) [Kindle]
- KADOKAWA (2023年7月4日発売)
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感想・レビュー・書評
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言語学者のハカバくんが、多種族が住む魔界で言語学のフィールド調査をするという設定。
最初の頃は、言語って音声だけでなく、いろいろな手段の可能性があるのかー、とか、相手の言語の体系を知っていないととんでもないことになっちゃうのねー、とか、ハカバくん、大変〜!とか、ちょっとコミカルな部分が目についていたけれど、フィールド調査が進んでいくにしたがって、種族間の言語だけでなく、「考え方の違い」に関連してハカバくんが考察し、悩み始める、という感じになってきています。
これは、異世界だしフィクションの世界だけれど、ふとリアルな「地球」を見渡してみると、同じ「人間」でも、言語だけでなく「考え方の違い」を持っている人たちと本当の意味で分かり合えることはできないのでは?と考えさせられることも多くなっていて、あながち「フィクション」とは言えない問題提起だったりするのかも…、と考えさせられてしまったり…。
1巻の頃は、ぽーっとした感じの主人公だったけど、5巻では、サバイバル感が出てきて、もしやちょっとかっこよくなってきたり?
巻末についている、博士(ハカバくんの先生)のフィールド調査時の話も、確信をついた伏線になっているっぽいので、気が抜けない。
この先、どうなっていくのか楽しみ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
モンスターと暮らし旅する、言語学者の言語学講座。
「言語」「思考」「文化」異なるものと相互認識のなんと難しいことよ。 -
ファンタジー。言葉が通じない魔界で現地住人とコミュニケーションをとる話。春になりようやく集落から出られるようになった後の話が描かれる。
冬の間に色々と進展はあったようで、集落にいた種族とはかなり話が通じるようになっているが、やはり文化的なものや感情的なものは伝達しづらいようで、お互いの認識のズレからくるあたふたが毎回楽しい。
本巻で一番印象に残ったのは魚に飼われる回。「住んでる人もそれをする」の重さよ。
センセイもあの状況で順応してる辺り、魔界に染まっているような気がした。 -
理解できているかできていないかで言えばできていないのだけれど、妙にとても面白い。魚のくだりがとても好きな内容だった。