パチンコ 上 (文春文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 妻子ある男の子を身籠ったソンジャが朝鮮から日本へ移り住み、過酷な運命ながら逞しく生きる姿を描いている。
    自分の身は国は守ってはくれない。自分で守らなければならない。ハンスの言うことは至極まっとうだ。
    第二次大戦下の日本を朝鮮人目線で描かれているのが新鮮です。
    翻訳がいいのかまるで日本人が書いたかのように思える。
    日本人と朝鮮人、いったい何が違うというのかと思ってしまう。

  • 翻訳であることが、かえって物語の力を引き立てていると思う

  • 韓国系アメリカ人の作家による、在日コリアンの物語。アメリカではベストセラーになったらしく、オバマ元大統領も読んだらしい。

    オバマが読んだ本は、ほかにも目を通したことがある。オバマといえばマイクロターゲティングといわれるデータ戦略が有名だったが、彼が選んだ(とされる)本は、たしかにどことなく世の中からのウケが良さそうである。大衆的でありつつ、娯楽一辺倒ではない、社会性を持ち合わせつつ、ひとを選ぶような強すぎる思想を表明しないような、そういう本。

    そして本書もそうである。在日コリアンを三世代(四かもしれない)に渡って描く大河ドラマ。
    戦争や差別、政治性を帯びていそうにも思えるが、この小説はさまざまなテーマを含みつつ、肝心のところには踏み込まないような塩梅である。悪くいえば薄っぺらいのだが、エンタメ的にはこのくらいの社会性で充分ともいえる。

    おそらく、この話は在日コリアンに設定しなくても成立すると思う。時代に翻弄されたり、差別されたり、苦労したり、それでも前に進もうとする大河ドラマ。たぶん別の国のマイノリティにあたるひとびとを主人公にしても問題はない。だからこそ普遍的なのかもしれないが。

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