これで死ぬ アウトドアに行く前に知っておきたい危険の事例集 [Kindle]

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  • 山と溪谷社
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感想・レビュー・書評

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  • ポップな感じで気軽に手に取れるパッケージング。Kindle Unlimitedにて読了しました。イラスト多めで1~2時間もあれば読める分量です。

    しかし本著、要は「死因のカタログ」です。
    遭難モノのドキュメント等を多く手掛けるノンフィクションライターの著者が、普通に書いたら悲惨になりがちな「人間の不意の死」というものを、イラストと最低限に抑えた文章によって、一般に広く知らしめようとする強い意思を感じました。
    願わくば、本著が老若男女に広く読まれますよう。

    普通に生きていれば80何歳くらいまで生きられるはずの世の中。それでも本著で挙げられているような出来事にたまたま遭遇しただけで、あっけなく人は死んでしまう訳で。
    粗忽者を自覚している自分としては、「あぁ、コレはやりかねない…」と、とても他人事とは思えずにビクビクしながら読み進めていました(笑
    思えば登山は小学校の頃に燧ヶ岳に登ったくらいだし、海遊びもそこまで経験が無く、無意識に危ないコトは避けて来たのかもしれません。まぁ正解か。
    とは言え、効用とリスクは天秤にかけて合理的に判断すべきで、例えば自分の子どもに苦労して辿り着いた山頂の景色を見せたくないかと言うと、そこも悩んでしまいます。
    ゼロリスクで生きていくコトなど不可能な世の中。少しでも楽しく、ただ安全に生きていくために、人間は人の知恵を借りることができます。本著はそれを体現していますし、読書という行為自体がそういうコトな訳で。
    これからも、学び続けていければと思っています。

  • 本屋で見つけて役に立ちそうだと思い購入、読了。
    「山の死亡事例集なら右に出る者はいない」でお馴染みの安定の羽根田さん作品(笑)

    本作、まず本のタイトルが良いですよね(笑)
    本の内容が一発で分かる、ミニマルで優れた名称だなと(´∀`)

    あと内容についても、今後のアウトドアに活かすことができる良書だったかなと思いました。

    この手のやつは、結局「死んじゃう前にいかに引き出しを持っておくか」が勝負(以下の通り)だと思うので、読みやすくて端的に学習ができる本書のような形はとても良いのではないかと思いました。

    死亡事例は
    1、自ら経験する
    2、外部から知識を得る
    しかなく、1は文字通り死んじゃったときに気付いて手遅れ(笑)なので、2のルートでいかに事前に知っておくかが生死を分ける、つまり「引き出しを増やしておくこと」が重要だと思います。

    ちなみに、まれに「死にそうになる」っていう実は死んでない事例が混じってるのが微妙にツボ入ったんですが…ココが面白かったの自分だけなのかな…(´∀`)笑

    〈今後に活かすこと〉
    20、土砂崩れ、動画で確認する
    26、火山ガスで死ぬ
    28、設営中にテントごと飛ばされるパターンもある、気を付ける
    49、雪崩、三種の神器(雪崩ビーコン、プローブ、シャベル)があるらしい、調べて知っておく
    ★50、クレバスで落ちて死ぬ、雪に覆われて見えないクレバスがあるらしい、コレは危険
    →火山ガスにしかり、特に「見えないもの」を事前に知っておくことはとても大切、もはや知らない時点で備えようが無いので、良い気付き
    61、落雷に対する木の保護エリア、「比較的安全だとされている」とのこと笑、エビデンスは圧倒的に不明なので、山小屋&気には近付かないが無難ということで行動したいと思う笑
    69、クマ、危険なのはヒグマ・北海道、ツキノワグマ・中部以北、ちなみに「人を恐れなき新時代のクマ」も出て来ているらしい(笑)
    79、アナフィラキシー、改めて調べて知っておく
    82、ダツ怖過ぎ笑、穴開くて笑、夜間の海中、海上でのライトの気を付けろとのこと
    90、各種対応
    クマ
    →ゆっくり後ずさり、最悪近くなったら防御姿勢
    ヘビ
    →洗ってつまんで毒液を出す、アイシングはしない、蛇の写真撮る、今は走ってでも医療機関に急いだ方が良いとされる
    ハチ
    →洗ってつまんで毒液出す、アナフィラキシー(嘔吐、呼吸困難、全身の蕁麻疹等)になったら一刻も早く病院へ
    ダニ
    →吸着して間もなければピンセット、一日二日経っていれば別でワセリン法
    サメ
    →基本襲われたらなすすべなし、ゆっくりと逃げる、襲われたら本気で抵抗する笑、目や鼻先が弱点らしい笑
    ダツ
    →胴体を切り落として頭を残したまま病院へ
    ★96、100、山菜・キノコは自分でとって食べない、人からもらったものも食べない、食べられるものと食べられない物が混生しているパターンもある
    104、フグは種類によって可食部が異なる、また同じ種類でも産地、時期によって毒の有無がある
    →つまり良く分からないので素人な手を出さない笑
    117、溺れている人を助けるときは、浮力あるもの(ペットボトル、クーラーボックス、浮き輪、サッカーボール、バケツ等)にロープを括り付けて投げるor棒状のものを掴ませるがベター、あとペットボトルは水入れると遠くに投げられる
    125、離岸流、もし乗ったら岸と平行に泳いで離脱する、通常は幅10〜30m程度
    127、戻り流れ、凸凹の海岸で発生する、こちらも離岸流同様に沖に一気に流される
    ★136、背浮き(浮いてまて)、着衣泳法は身につけて学んでおきたい

    <内容(「BOOK」データベースより)>
    まさか、こんなことで死ぬなんて。
    アウトドアでの死の事例53から学ぶ、最低限知らなければならない安全の話。

    ころんで死ぬ、ダニに噛まれて死ぬ、助けようとして死ぬ、キャンプの炊事中に死ぬ、風に飛ばされて死ぬ——など、アウトドアには「まさか、こんなことで……」と思うような、死の危険がたくさんあります。
    本書では、アウトドアで実際に起こった死亡事例を紹介し、どうしたらそのような目にあわないか、安全に身を守るための解説をしています。

    死の危険は、知っていれば避けられる可能性が高くなる。
    アウトドアで自分や大切な人が危険な目にあわないために、最低限の安全の知識が書かれた本です。

  • よく暇つぶしにYouTubeで事故事例の動画を見る。そういう人にオススメの本。
    もうもくじから楽しくて、落石で死ぬ、火山ガスで死ぬ、疲れて死ぬ、発病して死ぬ、助けようとして死ぬ……とにかく死ぬ、死ぬ、死ぬ。
    淡々と事実を並べてるだけなだけに、想像力をかきたててくれる。なにも考えず読み流すのも楽しい。暇つぶしにどうぞ。
    工場系の事故も好きなので、そういう本もあったらいいなー。

  • 私はアウトドアで遊ぶことが多いのですが、自然を相手にすると人間の力なんてちっぽけなものだと痛感することがあります。

    自然の中では、人間がいくら頑張っても、そんなもん何の役にも立たんことがあるのです。
    逆に人間はとても脆い。
    そんなことで人は死んでしまうのです。

    そんな事を改めて、思い出させてくれる、改めて認識させてくれる一冊。

    初めてアウトドアに触れる人、災害等でアウトドアのような状況に置かれてしまった人は一度読んでおいた方が良いと思います。
    そして、慣れた人ならわかるはず。知ってることでもたまに確認して、軌道修正するならブレが小さいうちにした方が苦労は少ない。
    中には個人的に異論がある記述はあった。
    でも、知らないより知ってた方がいい。

  • 意外と知ってた。
    キノコはもっと知りたい気もした。

  • 川についてのことを期待していたので大してなくて個人的には残念だった。
    まぁ全くの初心者が最初に読むのには良いのだろうけど。
    https://seisenudoku.seesaa.net/article/501131535.html

  • アウトドアにおける死亡事故の実例と注意点を列挙
    たぶん、読書感想文の課題図書にするといい

  • 慎重に行動!、
    様々なことを想定しながら、
    ということを意識したい。
    「正常性バイアス」との戦いでもある。

  • 富士山大規模落石事故やトムラウシ山遭難事故の沢山の死者が出たやつではなく
    どちらかというと小規模な事故の事例集。
    ちょっとしたことで死んでしまうということがよくわかります。

  • タイトル通り、アウトドアで事情が分からないと"こんなことで死ぬのか"と思うようなシンプルな死亡事例と身を守るためにはどうすべきかの知識をイラスト入りで淡々と説明している。

    面白いとお勧めを目にしたので購入。
    自分はインドアなので直接この知識を活かすことは幸い無いが、教養として自然の中ではこんなにあっさり人は死ぬ、ということを興味深く読んだ。
    読み物としてシンプルに面白い。

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著者プロフィール

1961年埼玉県生まれ。ノンフィクションライター。長野県山岳遭難防止アドバイザー。山岳遭難や登山技術の記事を、山岳雑誌「山と溪谷」「岳人」などで発表する一方、自然、沖縄、人物などをテーマに執筆活動を続けている。おもな著書に『ドキュメント 生還』『ドキュメント 道迷い遭難』『野外毒本』『人を襲うクマ』(以上、山と溪谷社)、『山の遭難――あなたの山登りは大丈夫か』(平凡社新書)、『山はおそろしい――必ず生きて帰る! 事故から学ぶ山岳遭難』(幻冬舎新書)などがある。

「2023年 『山のリスクとどう向き合うか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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