最後の停戦論 ウクライナとロシアを躍らせた黒幕の正体 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 一にも二にも停戦
    これは本当にそうだよな、と思う。

    停戦するためには相手を交渉のテーブルにつかせる。つかせ続ける必要がある。
    そのためには相手の言い分も理解する必要がある。

    そういうことかなと思った。

    正直、世界情勢などはよく分からなくて、それぞれの総理の時の対応に対して自分なりの評価ができない。価値のインフレがどういう意味なのか分からなかった。
    全体を通して難しかったけど、読んでよかった。

  • 佐藤氏も鈴木氏も、意外と安倍晋三元首相を評価しているんだね。ネットのニュースなどで言われている論調と、やや毛色の違う話はしてくれていると思う。だから、読んでいて面白かったんだけどさ。ただ、だからと言って、これが真実というわけでもなく、こういう世界の情勢というものは、いろいろな人が自分の立場から見て、考えているのだろうということが、窺われると言ったところだろうか。もとソ連の外交官として、佐藤氏の話は確かに説得力があるとは思うんだけどさ。

  • R4.2.24にロシアがウクライナに侵攻したことは、現代でも第2次世界大戦時のようなことが起こるのだと思い、私自身、大きな衝撃を受けました。どうしてこのようなことが起こったのかと思い、多くの本を読みました。その中でも「最後の停戦論」は物事の本質を衝いた素晴らしい本だと思いましたので、ロシアのウクライナ侵攻で心を痛めている方又はウクライナ侵攻に関心のある方に手に取っていただきたいと思い、今回、紹介させていただきます。
    筆者である鈴木氏は小渕内閣で官房副長官に就任し、後任の森首相の北方領土返還交渉を行うためにプーチン大統領と面会したことがあります。また、佐藤氏はモスクワの日本大使館で勤務していたこともある元外交官でロシア通の方です。

    ウクライナ侵攻について、私はロシアの行動は許されるものではないと思っています。
    ただし、ウクライナにも侵攻される原因があると思っています。その理由を以下に記します。
    H27.2月に東部ウクライナにおける停戦合意であるミンスク合意2をフランス、ドイツを含めてロシアとの間で結んでいますが、ウクライナがその合意を守ろうとしませんでした。
    ・R3.10に親露派住民の地区にトルコ製のドローンを飛ばし、ロシアを挑発しました。(26P)
    ・ウクライナはロシアが嫌がっていたNATO加盟を進めようとしました。ロシアはそれを防止するためミンスク合意を守るべきと伝えたのですが、ウクライナは守ろうとしませんでした。(30P)
    国際間の合意はたとえ前政権が行ったものであったとしても守る必要があると思っています。

    鈴木氏の「アメリカにとってのこの戦争の目的とは何か」という問いに佐藤氏は答えます。「ウクライナを勝利させることではありません。ウクライナを使ってロシアを弱体化させることです。戦費はかかるものの、だらだらと戦争を続けさせることでロシアが弱ればいいのだと思っているのでしょう。(略)まさに「戦争を食い物にしている」と捉えても、不自然ではありません。(略)また、ウクライナに向けて供給された武器や資金については、無償ではありません。」(39P~40P)
    アメリカの考えは恐ろしいと思いましたが、これが国際政治の現実であるのだと思いました。

    鈴木氏は言います「停戦=侵略者であるロシアを認めることだと勘違いしている人がいますが、そういうことではないんです。とにかく今は、一にも二にも銃を置くことです。」(62P)私もそう思います。また、鈴木氏は言います。「政治の究極の目的は、何をおいても「世界平和」ということになります。」(117P)私もそう思います。

    ロシアへの経済制裁については、鈴木氏が「まったく通常通りの生活を送っていますね。」佐藤氏「経済制裁はまったく響いていないのです。(略)むしろロシアは強くなっています。西側に依存せずに生き残ることができるようになっている」(127P)それからすると私はロシアへの経済制裁は効果が無くむしろ制裁をしている国の経済を損なっているように思えます。

    とにかく一刻も早い停戦が大切だということを主張する鈴木様(244P)と佐藤様に深く賛同するとともに鈴木様と佐藤様は日本国にとって大きな財産となる人財であると思っています。また、私自身、深く尊敬しております。お二人にはどうかこれからも日本国のためにご指導、ご尽力いただきたいと思っています。

    ウクライナで一刻も早く停戦が実施され、国外に避難していると言われる800万人の方が早く国に戻れて復興に向けて動き出すことを願っています。

    最後にロシアのウクライナ侵攻について、他の素晴らしい本を紹介しておきます。
    ○プーチンとバイデン(東郷和彦 K&Kプレス)
    東郷様は元外交官であり、ロシア外交にも詳しい方です。一刻も早い停戦を訴えています。

    ○ウクライナ戦争は問いかける(副島英樹 朝日新聞出版)
    副島様は現在朝日新聞の広島総局員です。以前、朝日新聞でモスクワ支局長もしておりました。ゴルバチョフ元大統領とも交友があるため、ゴルバチョフ元大統領のインタビューもあります。また、NATOの東方拡大にも詳しく触れています。

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著者プロフィール

昭和二十三年北海道足寄町に生まれる。四十四年衆議院議員中川一郎秘書。四十五年拓殖大学政経学部卒業。五十二年農林水産大臣秘書官。五十五年科学技術庁秘書官。五十八年衆議院議員初当選。平成元年防衛政務次官(宇野内閣・海部内閣)。二年外務政務次官(海部内閣)。四年自民党副幹事長。六年衆議院議員 沖縄及び北方問題に関する特別委員会委員長。九年国務大臣 北海道・沖縄開発庁長官(橋本内閣)。十年内閣官房副長官(小渕内閣)。十一年自民党総務局長(小渕総裁・森総裁)。十四年衆議院議員運営委員会委員長。十七年新党大地結成。同代表就任。二十一年衆議院議員八期当選。衆議院外務委員長。二十二年在職二十五年永年在職議員表彰。二十三年新党大地・真民主結党。同代表就任。二十四年新党大地に改名。同代表就任。

「2014年 『「日本の分」について考える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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