世にもあいまいなことばの秘密 (ちくまプリマー新書) [Kindle]

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  • 文章力あるいは会話力トレーニングの中でもとくに、誤解を招く表現について集めた本といえる。誤解なく伝えるための文章を書いた経験が多少でもあれば既知の問題が多いが、丁寧に問題と対処方法を言語化しており親切設計。何より事例がニヤッと笑える。
    おそらくツイッターの紹介を見て興味を持った。著者の川添愛は専門が言語学、自然言語処理。人工知能関連の書籍も複数執筆されているが、今回は言語学に重きを置いたよう。随所に挿絵が挟まれたり例題・問題で思考を促したりするだけでなく、しっかり参考資料を明記していて好感が持てる。
    参考資料を明記していて研究資料を思い出したついでに書くと、本書でも紹介されていたように「適当」という単語は使わないように教授から指導されていた。「適当な値」だと「アバウトに決めた値」か「適切な値」なのか分からない。最初から「適切」を使えと。
    研究だろうとSNSだろうと結局、「話し手と聞き手の側が互いにコミュニケーションを成功させようという意識を持ち、必要に応じて自分の理解を言語化して相手に伝えることが、言葉のすれ違いを減らす上では重要に」(本書より)なる。研究はともかくSNSは小学生あたりから使い始めるので、『注文の多い料理店』(2024年現在も小5の教科書で扱っているらしい)だけに頼らず、本書のように楽しく、言語の曖昧さとすれ違いを早いうちから学んでほしいものである。……なぜ自分は他人事のように見ている?

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著者プロフィール

川添 愛(かわぞえ・あい):1973年生まれ。九州大学文学部卒業、同大大学院にて博士号(文学)取得。2008年、津田塾大学女性研究者支援センター特任准教授、12年から16年まで国立情報学研究所社会共有知研究センター特任准教授。専門は言語学、自然言語処理。現在は大学に所属せずに、言語学者、作家として活躍する。 実績 著書に『白と黒のとびら』『自動人形の城』『言語学バーリ・トゥード』(東京大学出版会)、『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット』朝日出版社、『コンピュータ、どうやってつくったんですか?』(東京書籍)『ふだん使いの言語学』(新潮選書)など。

「2023年 『世にもあいまいなことばの秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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