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- Amazon.co.jp ・電子書籍 (169ページ)
感想・レビュー・書評
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文章力あるいは会話力トレーニングの中でもとくに、誤解を招く表現について集めた本といえる。誤解なく伝えるための文章を書いた経験が多少でもあれば既知の問題が多いが、丁寧に問題と対処方法を言語化しており親切設計。何より事例がニヤッと笑える。
おそらくツイッターの紹介を見て興味を持った。著者の川添愛は専門が言語学、自然言語処理。人工知能関連の書籍も複数執筆されているが、今回は言語学に重きを置いたよう。随所に挿絵が挟まれたり例題・問題で思考を促したりするだけでなく、しっかり参考資料を明記していて好感が持てる。
参考資料を明記していて研究資料を思い出したついでに書くと、本書でも紹介されていたように「適当」という単語は使わないように教授から指導されていた。「適当な値」だと「アバウトに決めた値」か「適切な値」なのか分からない。最初から「適切」を使えと。
研究だろうとSNSだろうと結局、「話し手と聞き手の側が互いにコミュニケーションを成功させようという意識を持ち、必要に応じて自分の理解を言語化して相手に伝えることが、言葉のすれ違いを減らす上では重要に」(本書より)なる。研究はともかくSNSは小学生あたりから使い始めるので、『注文の多い料理店』(2024年現在も小5の教科書で扱っているらしい)だけに頼らず、本書のように楽しく、言語の曖昧さとすれ違いを早いうちから学んでほしいものである。……なぜ自分は他人事のように見ている?詳細をみるコメント0件をすべて表示
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