アグニの神 [青空文庫]

  • 青空文庫 (2005年2月6日発売)
  • 新字新仮名
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青空文庫 ・電子書籍

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  • 作品名: アグニの神
    作品名読み:アグニのかみ
    著者名: 芥川 竜之介 

    インド人の占いばばと、さらわれてきた少女との不思議なお話し
    インドの古代の神は、その少女に何をもたらしたのでしょうか。
    舞台が上海というのもいい。

    https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/card43014.html

    底本データ
    底本: 蜘蛛の糸・杜子春
    出版社: 新潮文庫、新潮社
    初版発行日: 1968(昭和43)年11月15日
    入力に使用: 1989(平成元)年5月30日46刷
    校正に使用: 2004(平成16)年6月5日67刷

    49頁

  • 「アグニの神」は、アメリカ人の商人がインド人の婆さんに占いを頼んでいる場面から始まる。婆さんは女の子を呼び立て、今夜の十二時にアグニの神にお伺いを立てると伝える。同じ時刻にこの家に日本領事で書生をしている男が訪れる。この家を通りかかったとき窓から見えた女の子が、領事館の行方不明中の娘であったためである。男は婆さんの魔法によって家から追い出されてしまう。男が家の前で女の子を救出する方法を考えていると窓から女の子の紙切れが落ちてくる。その紙切れには、私を使ってアグニの神からのお告げを聞く婆さんを、眠ってしまう前にアグニの神が乗り移ったふりをして私を返すように仕向けるという作戦が書かれている。男はその作戦を見守るために外から中を覗く。しかし女の子は眠ってしまい作戦は失敗してしまう。すると女の子の口から荒々しい男の声で、今夜限りでお前を見捨てる、命が惜しかったら早急に女の子を返すがよいという声が聞こえる。婆さんはその声は女の子自身が出している声だと信じさらにナイフで脅す。その内に部屋の中から叫び声が聞こえた。男が部屋に入りあたりを見回すと婆さんが自分のナイフを突き刺し血だまりの中に死んでいた。女の子が男にあなたが婆さんを殺したのかと聞くと男は婆さんを殺したのは今夜ここへ来たアグニの神だと囁いた。
    この物語を読んで、アグニの神はいつでも婆さんを見捨てることができたのにもかかわらずなぜこのタイミングで見捨てたのかが気になった。それは女の子を助ける男が現れたからだと考える。女の子は婆さんに怒られても俯いたまま黙っていたり、窓から寂しい往来を眺めていたりする様子から逃げることに希望を失っていた。だが、自分を助けようとする存在が現れたことで諦めかけていた心が逃げたいという強い意志に変わった。その強い意志が神に通じたのではないか。

  • 最初に登場するアメリカ人の意味。
    まったく必要ないやん。

    この作品、作家バイアスを取除くとしょうもなってなりません?

    って強気に言ってすいません。アグニの神様怒らないで。

  • 「ストレンジャー上海の芥川龍之介」を見たので。ヘンゼルとグレーテルみたいだけどもっと大人向けでアジアな感じだった。いい神様だな。この時代の小説、書生さんが出てくるのが好き。今で言うところの大学生くらいの感じでそこらじゅうにいたのかしら。

  • 嘘をつくことができない真実の神の言葉は絶対なのです。

  • 神威

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