この本は欧米で実際に起きた凶悪な事件を取り上げている。殺人には、被害者にも殺される理由があるものと、偶然殺人狂に出くわしたというだけで殺されてしまうものがある。後者の殺人では、体を35個に切る者や殺した子供の肉を食べる者など、凶悪な犯罪が多い。しかし、このような悲惨な事件にもかかわらず、加害者は「狂人」であるという理由から法律上の責任を問われず、病院に入れられるだけということもある。ある者は犬にかまれてから太陽を見ると狂人性が出てくるようになったという。
その一人として、1905年から十人以上の子供の首を絞め殺害した女性があげられている。彼女は逮捕されたが「狂人」であることが認められ、刑務所ではなく病院へ送られた。しかしそこでも人の首を絞めたくなった彼女はある驚きの行動に―
この本を読むことでリアルな世界、人間の怖さが見えてくる。狂人と言われる人は自分たちとは違うようで同じ人間。そんな人たちがどんな事件を起こしたのかを知ることで人間がどこか心の奥底で持っている欲望を知ることができる。