神無き月十番目の夜

著者 :
  • 河出書房新社 (1997年6月1日発売)
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本棚登録 : 96
感想 : 24
4

関ヶ原の戦い後、小生瀬(茨城県北部)の村人が突然姿を消し、鳥や野犬に食べ荒らされた状態で発見される所から話が始まる。

それまで自治が認められていた豊かな村に、徳川の検地が入る。
戦より生きる事を選ぼうとする肝煎りと、戦を知らない若い世代とのギャップ。
どんどん不幸な結末へと向かっていく物語に、何度も読むのが苦しくなった。読み終わってもなお、心が重い。

普段相手にされない者ほど、聞かれると秘密を漏らす。
豊かで誇りを持って生きている者は、よそ者を温かく迎える。
なるほど、と思う人間描写が沢山あった。

「一村撫で斬り」
実際にあった事件を元に書かれた小説だが、本当に恐ろしい話だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代物
感想投稿日 : 2016年10月9日
読了日 : 2016年10月8日
本棚登録日 : 2016年10月9日

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