2019.7.9.凄まじい評判の第27回鮎川哲也賞受賞作品。私は基本、本を読む前の情報を極力得ないようにしているのだが、この作品に関してはその性癖は大変良かったと思う。まさかの……が重要な役割を担う作品とは予想が全くできなかった。おそらく事前情報を得ていたら、読む気をなくしていたと思う。たった1時間半で世界は一変したというのを何かのどんでん返しと思っていたのでそこは期待を裏切られたが、それも一瞬で物語にのめり込まされた。ファイダニット、フーダニットに関してはある程度予測出来たが、この作品において一番興味を覚えるのはハウダニットだったと思う。人間の力が及ばないものをどのようにコントロールして犯行を成し得たか…そのアイデア?(人を殺すのにアイデアとは軽い言葉にすぎるかもしれないが…)に感心させらてしまった。ただ、プロローグの斑目機関の謎は回収されないままで、あと、剣崎比留子の人物像に関しても今ひとつ説得力がないので、おそらく、彼の第ニ作などで知っていきたいという消化不良間は残った。
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- 感想投稿日 : 2019年7月9日
- 読了日 : 2019年7月9日
- 本棚登録日 : 2019年7月9日
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