まだ若い少女の不完全な思考回路を覗いているような感じ。
結局答えは出ない思考。ずっとループ。
少女が何を求めているのか、ずっとはっきりしない短い小説。だが、魅力的な文章に惹かれて何回も読み返してしまう。
駅のベンチに座る度にこれを思い出して、この少女のようにぐるぐると考えたくなる。「よく分からない」という気持ちを自分の知り得る語彙で表現して、あれでもないこれでもないと考え悩みたくなる。これが若いということなのかもしれない。
最後の文で、心臓がどきっとする。
もしかしたら、この少女は私の最寄り駅にいるのかもしれない。
逆に、もしかしたら、この少女は私で、私が気づかないだけで毎日誰かを待っているのかもしれない。とも思ったりし始めるともう思考は止まらない。楽しい…
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年7月26日
- 読了日 : 2023年7月26日
- 本棚登録日 : 2023年7月26日
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