芥川龍之介と言えば羅生門を教科書で読み、地獄変、蜘蛛の糸を思いだしたんです。
こちらは少し物語がやさしい、わかりやすい感じでした。
その中でもはじめて読んだ蜜柑にとても惹かれました。
これは…好みのやつだ。
どの時代も、平然たる、日常の、生活での感情の機微は凹凸があるのだと思うが、作品そこにトリップしたような後読感で気持ちよかった。
こういう生活感があって、そこでのちょっとした非日常がすきなのかも。
龍之介目線。
列車でどこぞへ向かうのだが、ほぼ客のない列車内で、発車まで座席でなにを思うでもなく退屈に待つ龍之介。
やっと発車の笛がなる中、一人の娘が乗り込んでくる。
身なりがいかにもいなか者然としている娘。
その娘の存在が龍之介の退屈を払拭してゆくイメージなんですが、龍之介が娘を見る目の変化と、娘の境遇、諸々がわたしにはとても善き。でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年1月13日
- 読了日 : 2024年1月13日
- 本棚登録日 : 2024年1月13日
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