蜘蛛の糸・杜子春 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1968年11月19日発売)
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本棚登録 : 6345
感想 : 510
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芥川龍之介と言えば羅生門を教科書で読み、地獄変、蜘蛛の糸を思いだしたんです。

こちらは少し物語がやさしい、わかりやすい感じでした。

その中でもはじめて読んだ蜜柑にとても惹かれました。

これは…好みのやつだ。

どの時代も、平然たる、日常の、生活での感情の機微は凹凸があるのだと思うが、作品そこにトリップしたような後読感で気持ちよかった。

こういう生活感があって、そこでのちょっとした非日常がすきなのかも。

龍之介目線。

列車でどこぞへ向かうのだが、ほぼ客のない列車内で、発車まで座席でなにを思うでもなく退屈に待つ龍之介。

やっと発車の笛がなる中、一人の娘が乗り込んでくる。
身なりがいかにもいなか者然としている娘。

その娘の存在が龍之介の退屈を払拭してゆくイメージなんですが、龍之介が娘を見る目の変化と、娘の境遇、諸々がわたしにはとても善き。でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年1月13日
読了日 : 2024年1月13日
本棚登録日 : 2024年1月13日

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