北のはてのイービク (岩波少年文庫 152)

  • 岩波書店 (2008年5月16日発売)
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本棚登録 : 80
感想 : 12
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極北グリーンランドに住む少年イービク。初めての狩りで失敗をし、父親が命を落としてしまうという、とてもショッキングな始まりです。大きな働き手を失った家族は飢えと寒さに苦しみます。イービクは家族を救うため、氷が張った海を渡り危険な旅へ。途中飢えた白くまに出会い、命がけで戦いますが・・・著者の子供時代にもとづいて作られた物語。「北のはて」の厳しい生活が丁寧に描かれています。イービクのような幼い少年も必死で家族のために獲物を捕らえなければ死んでしまうという極限の生活。食べ物がなくなり飼っていた犬を食べ、最後には犬をつないでいた革ひもまで食べます。「寒さ」「厳しさ」という漠然とした概念が具体的に目の前に迫ってきて、ここまで厳しいのかと驚きました。終わり方が少しあっさりしていました。対象年齢は4.5年生以上とありますが、内容は厳しいものなので、もっと大きい人にも読んでほしいと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 児童書
感想投稿日 : 2011年11月1日
読了日 : 2011年11月1日
本棚登録日 : 2011年10月29日

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