人を欺いて、金銭等を自身の懐に入れる詐欺師。本書は、そんな詐欺師の特徴と手法を余すところなく解説する。著者によると、一流の詐欺師は、相手から感謝されるのが特徴だという。その為、相手から信用される人物像であることが何よりも大事である。そこで、詐欺師は、相手を惹きつけるために、自分磨きをしなければならない。具体的には、年齢にかかわらず、身なりを常に清潔に保つこと、政治、経済等の教養を身につけるなど、自分にメリットとなることは、積極的に取り組む。このように、彼らは詐欺に働く前の段階から、抜かりなく下準備をする。
では、本格的にカモを探す段階に入るが、本書によると、カモの対象となるのは、無条件で要件を呑む人はもちろんのこと、実業家や医者といった富裕層も含まれる。一方で、カモが正直者である場合、ことが容易に運ばず、ベテラン詐欺師でも苦労する。その為、ある段階で相手にしない。以上から、詐欺師は、相手の様子を常に確認して、自身の養分になるか否かを見極めなければならない。。
ちなみに、この本は古典的映画『スティング』のネタ本とあり、故に詐欺師の実態を知るのに優れている。詐欺の形式は時代とともに多様化するが、詐欺師そのものの本質は変わらない。
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- 感想投稿日 : 2024年2月16日
- 読了日 : 2023年12月19日
- 本棚登録日 : 2023年12月19日
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