戦前の本格推理を語る上で落とすことのできない作家・浜尾四郎氏の第一長編だそう。もとはラジオで放送するために書かれたそうだが、言われなければ分からない。台詞はぎこちないが、この時代のミステリはこんなもの。内容は生真面目な本格で冒頭近くに特にケレンもなく殺人が起きて、後は捜査や尋問があって、複数の捜査官がその推理を披露する展開。割と淡々としているが、長編としては短めなせいもあるのかダレる感じはない。同じ作者の、派手な展開にし過ぎてガチャガチャになった「鉄鎖殺人事件」よりずっといい。ただメイントリックは残念。今だったら、アンフェアの一言でお終いだろう。
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- 感想投稿日 : 2023年4月7日
- 読了日 : 2023年4月7日
- 本棚登録日 : 2023年4月7日
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